600.クッキー(Cookie)ってなに?
2023年1月14日
最近、ホームページ等を見ていると「クッキーの使用に同意する、しない」という表示をよく見ますが、
『クッキー(Cookie)』って、一体何なのでしょうか?
今回は今後、インターネット活用に大きな影響を与えそうな『クッキー』について見てみましょう。
1 クッキー(Cookie)とは
「クッキーの使用に同意する、しない」とは、実はホームページ等を開設している企業が
利用者に利用者の情報を使用していいのかどうかを聞いているのです。
昨年の『個人情報保護法』の改正を受けてプライバシー保護に対する意識が一段と高まり、
閲覧者に対する配慮が拡がってます。
特に「確認義務」が新設され、クッキーなどのような情報は「本人の同意を得る確認義務」が必要となりました。
したがって大手企業のみならず、本来はホームページを開設し、閲覧者の情報を得る可能性のある企業は、
たとえ中小企業であっても「本人の同意を得る確認義務」が必要となっているのです。
インターネットでは「確認義務」が新設され
中小企業であれ「本人の同意を得る確認義務」が必要となっています!
さて、ところで『クッキー』とは、何でしょうか?
クッキーとは、ネットの閲覧履歴を記録する仕組みなのです。
つまり、閲覧者がどのウェブサイトを見たのか覚えておく仕組みなのです。
そういえば、一度閲覧すると、二度目からは簡単に表示されますね。
それがクッキーなのです。
ホームページ等を見る際にはブラウザーと呼ばれる閲覧ソフトを使用します。
米国グーグルの「クローム」とか、米国アップルの「サファリ」とか、米国マイクロソフトの「エッジ」とか、
あるいは日本の「ヤフー」など、いろいろあります。
その閲覧ソフトで閲覧者が初めてホームページ等に訪れると「クッキーID」と呼ばれるIDが割り振られます。
それによって閲覧したホームページ等の情報がブラウザーに保存され、二度目からは簡単に閲覧できるわけです。
このクッキー自体には名前や住所などの個人情報は含まれませんが、どのIDの人なのか識別したり訪問回数などが
記録されます。
それによって、たとえばインターネットショップで買い物などをしたときには前回の情報を元に「こんな商品もあります」とか
お勧めするような仕組みとなっています。
たいへん便利といえば便利なのですが、その使い方によって閲覧者のプライバシー侵害につながるという批判が、
欧米を中心に拡がっています。
そこで同意を得る仕組みが義務となって来ているのです。
クッキーは使い方次第でプライバシーの侵害につながる恐れがあります!
2 クッキーには2種類ある
そんなクッキーですが、クッキーには2種類あります。
一つは閲覧先の「サイト事業者が発行するクッキー」です。
もう一つはサイト広告を表示する企業など「第三者が発行するクッキー」です。
特に「第三者が発行するクッキー」は閲覧者が別のホームページ等に移動しても追跡し把握ができるのです。
ウェブ広告企業などは多くのサイトにこの仕組みを取り入れ、閲覧者の行動・購買履歴などから閲覧者の人物像を推測し
閲覧者が興味待ちそうな広告を出す「ターゲティング広告」などに活用されています。
ここまでくると、先ほどのプライバシー侵害の恐れにつながる可能性もあり、インターネットが日本以上に浸透している
EUが規制するようになっています。
2018年に一般データ保護規制であるGDPRが施工され、クッキーも名前などと同様に『個人情報』と規定され、
その影響で日本でも昨年に『個人情報保護法』改正され、「本人の同意を得る確認義務」が必要となったわけです。
EUでは2018年からクッキーも名前などと同様に『個人情報』と規定されいます!
EUではクッキーを拒否する手順を難しくしたとして罰金を命じられた企業もあり、各国でもクッキーを規制する動きが
強くなっています。
日本はそこまで厳しくありませんが、昨年からの『改正個人情報保護法』の背景となっています。
3 クッキーに対する流れ
このようなことを背景に、各ブラウザー企業はウェブ広告企業など第三者が関わるクッキーの利用を廃止する流れにも
なって来ています。
事実、ブラウザー最大手のグーグルはクッキーの利用制限を2024年後半から始める予定となっています。
そこで最先端の世界ではクッキーを使わない広告手法も登場しています。
たとえば、アプリケーションやサービス利用者にアンケートを実施する専用のポータルサイトを制作する。
また閲覧されているサイトの内容と滞在時間などから閲覧者の興味分野をAIで分析し、その文脈にあった広告を表示する
などです。
翻って考えば、やはり「正々堂々」という王道に返って行くのだろうと思われます!