604.収益改善 その具体策
2023年2月10日
これまで収益改善のための前準備として
1.社員の士気を高めるために『マズローの法則』を活用する
2.その高めた士気を一点に充てるための『選択と集中』を考える
3.そしてターゲットを選別する手立てとして『パレート分析』を活用する を紹介してきました。
それらによって社員全体のやる気を高め、経営資源の再分配を行い、それらを集中させるべきターゲットの選定を考えようと
いうことです。
ここからは「収益改善のための具体策」です。
収益を改善させる具体策は3つに分けられます。
1 売上高を増やす
売上高が増えて、原価率や経費率がさほど変わらなければ、売上高の増加率に応じで収益は改善されます。
また売上高には「将来に備える」という作用もあります。
どういうことかといいますと、
たとえ売上高が増えなくても原価率や経費率を抑えることによって収益を増やすことが出来ますが、
しかしそれには自ずと限界があります。 つまり、ゼロにはできないということです。
その意味で、パイを増やすという売上高の拡大は将来に対する備えという機能があるということです。
したがって、売上を増やすというテーマは企業経営にとっては永遠の課題でもあります。
売上高拡大は将来に備える作用があるので企業経営にとっては永遠の課題!
2 粗利を増やす
二つめは粗利を増やすということです。
先ほど述べたとおり、売上が増えなくとも原価率を抑えられれば、粗利は増やせます。
ただそれには限界があるということですが、粗利を増やすことは大事なことではあることに変わりはありません。
粗利を増やすには原価率を抑えることともう一つ、売価を高めるということがあります。
売価を高めることが出来れば、売上数量が下がっても、売上高は維持できることになり、
売価が高められた分、原価率は下がりますので粗利は増えることになります。
しかしこれとて限界がありますが、大事なことではあります。
粗利を増やすには原価率を抑えることと売価を上げることの二通りがある!
3 利益を増やす
三つめは利益を増やすということです。
たとえ、売上高も原価も変わらなくとも、経費が削減できれば、その削減した分だけ利益を増やすことが出来ます。
しかしこれも限界がありますが、大事なことではあります。
ただ気をつけるべきは、原則、人件費だけは下げなくて、むしろ上げるということが企業経営のテーマです。
経営者はマズローの法則でいえば「自己実現の欲求」という段階にありますが、多くの一般従業員は「安全の欲求」あるいは
「社会的欲求」という段階にありますから、人件費を下げると途端にその段階(意欲)が下がります。
確かに「給与」が仕事のやりがいの全てではありませんが、しかしシンプルにわかりやすく考えれば「給与」がすべてと
考えた方がよさそうです。
したがって人件費の管理は役員報酬と一般給与に分けて行い、額はともかく、従業員の給与を上げる努力を経営陣としては行い、
その姿を従業員に対して明らかにする必要があります。
利益を増やすためには、人件費を除くその他の経費を全員でなるべく抑え、人件費は毎年少しでも増やし、
トータルとして経費を抑えることが大事です。
しかしこれとて限界があります。
利益を増やすには人件費を除くその他経費を抑えることが大事です!
このように考えると、限界が無いのは「売上を増やすこと」と「売価(付加価値)を高めること」の二つしかないことに
気付きます。
したがって、「売上拡大」と「付加価値」が企業経営にとっては永遠の課題となります!
まとめると、経費がいまより削減でき、原価率もいまより抑えられ、そのうえで売上高を増やすことが出来れば、
利益は大幅に増えることになります。
言い換えれば、経費と原価はテコのようなものであり、そのうえで売上を増やすことができれば、企業業績は格段と良くなる
ということです。
経費と原価は収益改善のテコであり、その上で売上を増やせれば企業業績はぐ~んと良くなる!