617.収益改善の方法③
2023年7月2日
前回は収益改善するためには、まず人心を刷新することが大切であると紹介しました。
その次のステップとして収益益拡大に取り掛かるのも良いと思われますが、その前に事業が置かれている状況を客観的に
見直すことも大切なことです。
そこで今回は、その客観的に事業が置かれている「現状分析」の仕方について紹介します。
3 自社の現状を分析する
(1)現状分析の手法
いま話題のChatGTPに聞くと、次のような回答が得られました。
「企業現状分析には、SWOT分析、3C分析、PEST分析、5フォース分析、バリューチェーン分析などの手法があります。
SWOT分析は自社の内部環境と外部環境を、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、
脅威(Threat)として洗い出し分析する手法で、企業や事業の現状を把握するためのフレームワークです。
3C分析は、自社・競合他社・市場環境の3つの要素を分析し、自社の強みや弱みを明確にする手法です。
PEST分析は、政治・経済・社会・技術の4つの要素を分析し、企業に影響を与える外部環境を把握する手法です。
5フォース分析は、競合他社との関係性や市場規模などを分析し、企業が競争力を持つために必要な要素を把握する手法です。
バリューチェーン分析は、企業が製品やサービスを提供するまでのプロセスを詳細に分解し、その中で付加価値が生まれる箇所を
特定する手法です。
以上が企業現状分析に用いられる代表的な手法です。ご参考になれば幸いです。」
このインプルリポートでもいろいろとご紹介している「マーケティング用語」がずらっと並べられています。
中小企業といえども、いまや企業経営に『マーケティング』は欠かせないものとなっていることがわかります。
(2)SWOT分析
「企業の現状分析の手法」としてはやはり『SWOT分析』が王道のようです。
SWOT分析はあらゆる業種・業態で活用できます。
自社の内部環境をStrength(強み)とWeakness(弱み)から分析し、外部環境はOpportunity(機会)とThreat(脅威)
から分析します。
この4つの要素から現状分析することで、既存事業の改善点や伸ばすべき点や新規事業の将来的なリスクなどを見つけることが
できるフレームワークです。
しかし、実務的には何よりも「強み(Strength)」と「機会(Opportunity)」を分析することが重要です。
成功の秘訣は前向きな姿勢・プラス思考にあり、社長のプラス思考が社内を明るくし企業風土をアグレッシブにしてくれるから
です。
いろいろ愚痴を言いたいこともあるかと思いますが、それだけでは問題解決になりません。
そのなかで自社の強みや機会について、社員を絡めて話し合う姿勢、リーダーシップが大切です。
どんな企業でも真剣に経営していれば、必ず強みがあるはずです。
それを機会と絡めて、強みをテコに収益改善に取り組みましょう。
なお、増収は収益改善をするためにの大きな要素の一つではありますが、決してそれが最終目的ではありません。
ですからそれに囚われすぎると、社内の雰囲気や顧客・取引先との関係にも悪影響を及ぼしてしまいます。
売上第一主義に陥らないように収益改善を目指すことがポイントです。
SWOT分析は実務的には何よりも「強み(Strength)」と「機会(Opportunity)」を分析することが重要です!
(3)3C分析
3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字を取ったものです。
マーケティング環境分析の基本フレームワークであり、環境については抜け漏れなく、把握できるといわれています。
SWOT分析における外部環境の一つである、競合分析のツールとして位置づけられます。
主に競合が激しい業種である、飲食業界や美容院業界などでは特に有効です。
(4)PEST分析
PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境がこれからどのような影響を受けるかを把握・予測するためのフレームワークです。
政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)という4つの外部環境を取り出し、
その4つ頭文字をとったものがPEST分析という名前の由来です。
SWOT分析における外部環境の下位分析のツールとして位置づけられます。
主に大手企業が事業戦略(経営戦略、海外戦略、マーケティング戦略など)を策定する場合に利用されるケースが多いようです。
(5)5フォース分析
5フォース(ファイブフォース)分析とは、競合や業界の状況と収益構造を明らかにして自社の利益の上げやすさを分析する
フレームワークです。
新規参入や新製品開発をする場合や新ブランドの立ち上げのときなどに、収益性を検証するのに役立つ分析手法です。
5フォースとは、5つの脅威を示していますが、具体的には、業界内での競争、業界への新規参入者、代替品の存在、買い手で
ある顧客の交渉力、売り手であるサプライヤーの交渉力を言います。
(6)バリューチェーン分析
バリューチェーン分析とは、商品を作るための原材料の調達から市場での流通・販売までの流れを、企業の提供する「価値の
連鎖」としてとらえ、事業の工程ごとに分析する手法です。
業務効率化を図ったり、競合他社を分析し自社の競争優位性を把握したりするときに用いられています。
中小企業にとって大企業へ脱皮することは難しいことですが、採算に見合った経営をすることは大企業よりも簡単です。
そのためには、まず経営者である社長が姿勢を改め、少人数でも従業員とよくコミュニケーションをとることが大事です。
従業員との認識が共有できれば、収益拡大に大きな前進をしたと言えます。
※各分析手法についてより詳しく知りたい方は「インプルリポートの検索」で検索されればご覧いただけます。