652.会計の基本知識 B/SとP/L
2024年3月29日
貸借対照表・損益計算書というと、投資家が投資対象の企業を知るための資料であるとか、上場企業が株主のために経営開示する
ための資料である、などと説明されることが多いが、そういう意味では中小企業には投資家も株主もいない。
だからと言って、会計資料は中小企業にとってどうでもいい資料なのだろうか?
答えは、中小企業においては大企業とは違い、貸借対照表や損益計算書の位置付けが違うということだ。
中小企業に限っていえば、貸借対照表や損益計算書は存在しない投資家や株主のための資料ではなく、
経営者による、経営者のための、経営者の資料なのだ。それをもって経営者自身が、自社の経営状況を知るための資料なのだ。
だから、中小企業経営者は、貸借対照表や損益計算書を自社の経営状況を通じて読めなくてはならない。
そこで今回は、中小企業経営者等が貸借対照表や損益計算書で自社の経営状況を読めるよう、その違いを見てみよう。
1 貸借対照表、損益計算書とは
貸借対照表と損益計算書は、一般的には『決算書』、月次においては『試算表』というが、税法では『財務諸表』、
会社法では『計算書類』と呼ばれる。
ここでは、中小企業経営にあまり関係のないことも説明することがあるが、それらを知っておくことで、さらに貸借対照表や
損益計算書の理解することに深みが増すので、それらについても若干触れることにする。
2 貸借対照表と損益計算書の違いとその関係
(1)貸借対照表と損益計算書の違い
貸借対照表とは、ある時点での自社の「財政状態」を示すものだ。
自社の資産、負債、純資産のバランスを示し、自社がどのように資金を調達し(負債・純資産のこと)、調達した資金をどのように
使っているのか(資産のこと)がわかるようにしている。
貸借対照表は「Balance Sheet」という英語表記から「B/S」と略される。(以下、B/Sという)
B/Sは、自社の安定した経営状況や総資本の構造を理解するのに重要となる資料であり、これに基づいて「経営の舵取り」をする
ことで会社はより安定した経営になる。
調達した資金(負債・純資産のこと)と投資(資産のこと)のバランスを考えるうえで、B/Sは重要な役割を果たす。
一方、損益計算書は、自社の収益と費用の状況を示し、一定期間(1会計年度あるいは月次)における経営成績がわかるように
なっている。
損益計算書のポイントは、収益と費用を示し、それによって生じる利益の計算にある。
損益計算書は「Profit and Loss Statement」という英語表記から「P/L」と略される。(以下、P/Lという)
P/Lは自社の収益性を確認する上で不可欠な資料であり、これに基づく収益構造の理解で会社をより収益をあげられる経営が
できるようになる。営業状況を改善するうえで、P/Lは重要な役割を果たす。
B/S、P/Lは自社の経営をしていくうえで、なくてはならない資料である!
(2)貸借対照表と損益計算書の関係
B/SとP/Lは、それぞれ異なる側面から「自社の経営状況」を示す資料であるが、実はその両者は深く関連している。
特にP/Lに記載されている『当期純利益』とB/Sの『利益剰余金』との間は『株主資本等変動計算書』を介して、
直接的なつながりがある。
株主資本等変動計算書は会社法で新設された計算書類であるが、B/Sの『純資産の部』における1事業期間の変動額のうち、
主に『株主資本』に関する各項目の変動事由を報告するために作成する資料だ。
まず、P/Lで計算された『当期純利益』は、自社が1事業期間において得た「最終利益」を示す。
この利益は「株主への配当」(中小企業においてはほとんどない)や「内部留保」(次期繰越資金)へ回る。
配当されずに企業内部に残る利益部分が『繰越利益剰余金』という内部留保金になるので、中小企業の場合には「当期純利益=繰越
利益剰余金」となることが一般的である。
中小企業の場合は「当期純利益=繰越利益剰余金」となる!
この『繰越利益余剰金』は、B/Sに繰越利益剰余金として記載され、企業の純資産の一部を形成することになる。
この金額は、企業が過去から累積してきた『未分配利益』の総計を表すので、企業経営の安全性を示す重要な指標の一つとなる。
なんとなく見ている『繰越利益剰余金』は企業経営の安全性を示す重要な指標なのだ!
また、B/SとP/Lは、企業の『収益』と『資産』の動きにおいても密接に関連している。
P/Lで収益(売上・営外利益)が増えた場合、それは通常、B/Sの資産増加につながる。
たとえば、売上が上がれば、B/Sの売掛金が増えるように・・。
これは収益の増加によって得た「キャッシュフロー」が資産として計上されたり、企業の負債が減少したりすることを意味する。
逆に、P/Lで収益が減少(費用の増加)した場合、これは貸借対照表上の「資産の減少」か「負債の増加」につながる。
たとえば、現金で消耗品を購入して資産が減少したり、材料を仕入して負債の買掛金が増えるように・・。
収益の減少は資金を失ったり、新たな負債を背負ったりすることを意味するため、「安全性の低下」を示唆する可能性がある。
このように、B/SとP/Lは「自社の財務状態」を把握するために、重要な資料なのだ。
B/Sは自社の「財務の安定性」を、P/Lは自社の「収益性」を反映しているので
両方を見ることで「自社の財務的な健全性」を総合的に理解できる!
3 損益計算書と貸借対照表の記載項目
(1)B/Sの記載項目
B/Sは、自社のある時点における「財政状態を表す」ことはすでに説明をした。
財政状態とは、調達した資金と投資した資金の「バランス」のことをいう。
財政状態は調達資金(負債・純資産)と投資資金(資産)のバランスだ!
B/Sは主に『資産』『負債』『純資産(株主資本)』の3項目から構成されている。
『資産』は、企業が所有する経済的価値のあるリソース(資源)のことだ。
これらは『流動資産』と『固定資産』に分けることができる。
『流動資産』は、原則的に「1年以内に現金化可能な資産」のことをいう。これには以下のようなものがある。
①現金および現金同等物: 手元にある現金や銀行預金など
②受取手形および売掛金: 顧客が支払うことになっている金額(売上債権)
③在庫 : 販売用の商品や原材料(棚卸資産)
④短期投資 : 短期間で換金可能な証券や株式(その他流動資産)
『固定資産』は、「長期的に企業に価値を提供する資産」であり、1年以上の期間にわたって運用されるものをいう。
これには以下のようなものがある。
①有形固定資産 : 土地、建物、機械、設備などの物理的な資産
②無形固定資産 : 特許権、著作権、商標権などの形のない資産
③投資その他の資産 : 長期的な投資や長期貸付金
『負債』は、企業が「将来支払うべき金額」を表している。
これも資産と同様に、『流動負債』と『固定負債』に分けられる。
負債は、会社が自由に利用できる資金ではないという意味で、「他人資本」と呼ばれることもある。
『流動負債』は、「1年以内に返済が必要な負債」だ。これには以下のようなもがある。
①支払手形・買掛金 : サプライヤーへの支払い(買入債務)
②短期借入金 : 1年以内に返済する必要がある借入金(有利子負債)
③未払金 : 未払給与や税金など。
『固定負債』は、「1年以上の長期にわたって返済義務がある負債」だ。これには以下のようなものがある。
①長期借入金 : 長期間返済する借入金(有利子負債)
*この中には『役員借入金』もあるが、これは経営判断的には自己資本として判断される場合もある。
しかし、経営者が個人財産を投入しないといけないほど経営状況が悪いのかとも見られ、外部からのイメージは良くない。
②社債 : 発行した債券に関連する負債 *基本的には大企業にしか関係ない。
『純資産』は、企業の『資産』から『負債』を差し引いた残りであり、株主(オーナー経営者)に属する資本の価値だ。
よく、「バランスシート」というが、それは「資産=負債+純資産」なので、常にバランスがとれているからだと説明されるが、
正しくは「資産ー負債=純資産」だから、結果的に「資産=負債+純資産」となるということだ。
けっして、資産は負債と純資産を足したものではない。これでは「アンバランスシート」となってしまう可能性もある。
話を元に戻す。
純資産は自社で自由に利用できる資金であることから、「自己資本」と呼ばれることもある。これには以下のようなものがある。
①資本金 : 株主(経営者であるオーナー)からの出資金
②資本剰余金 : 新株発行などによる追加出資 ※中小企業にはあまり関係ない。
③利益剰余金 : 過去の利益から配当などで分配されなかった部分
B/Sは、これらの『資産』『負債』および『純資産』の各部分のバランスを示しており、自社の財政状態を全体的に理解する
ためには不可欠な知識となる。
資産・負債・純資産は相互に関連しており、自社の財務健全性を見るための基本知識である!
(2)損益計算書の記載項目
P/Lは、企業の一定期間(1事業年度)に渡る「経営成績」を示す重要な資料であり、主に『収益』『費用』そしてそれらから
導き出される『利益』の3つの主要な部分から構成されている。
P/Lの基本的な構造は、収益から費用を差し引いて、利益を算出するようになっている。
P/Lには5つの利益が表示されており、上から順に『売上総利益』『営業利益』『経常利益』『税引前当期純利益』『当期純利
益』となっている。
『売上総利益』とは、売上高から売上原価を差し引いて算出される。
たとえば、1個1,000円で仕入れた商品を3,000円で10個販売した場合、売上高は30,000円、売上原価は10,000円、売上総利益は
20,000円となる。
売上総利益は「粗利(粗利益)」とも呼ばれ、基本的には販売した商品売上高から販売した商品仕入高との差額を示すものだ。
この20,000円が「粗利」であり、自社が創出した「付加価値」ともいえる!
商品を販売するためには、「ただ商品があれば良い」というだけではない。
販売するためには、人を雇用する必要があり、また店舗を借りなければならないケースもある。
このように、商品を販売するためには、商品のほかにさまざまな費用がかかる。
こうした費用を『販売費及び一般管理費』と呼び、P/Lは作成される。
この『売上総利益』から『販売費及び一般管理費』を差し引いたものが、『営業利益』だ。
『営業利益』は企業本業の活動結果を示すものであるため、非常に重要な意味を持っている!
本業以外の活動でもたらされた『収益(営業外収益)』がさらに『営業利益』にプラスされ、本業以外の活動にかかった『費用
(営業外費用)』は営業利益からマイナスされ、これによって『経常利益』が算出される。
『経常利益』とは、本業以外の活動である収益と本業以外の金利負担なども含めた、通常的な「会社の儲け」を示すものだ。
さらに経営には、偶然、保険金を手にしたりするケースもある。あるいは固定資産の売却益などもあるかもわからない。
こうした一時的に偶発的に手に入った収益は『特別利益』と呼ばれ、経常利益に加えられる。
逆に、訴訟のために支払った費用があった場合など、一時的に偶発的に支払った費用を『特別損失』と呼び、経常利益から
差し引きする。その結果、算出される利益が『税引前当期純利益』というものだ。
さらに企業は、そこから税金を支払わなければならない。
税金を支払った場合は、税引前当期純利益から税金分を差し引きし、最終的な『当期純利益』となる。
『当期純利益』は1事業年度において「黒字」か「赤字」かを示す、重要な指標!
4 損益計算書と貸借対照表のチェックポイント
財務諸表の中でも、最も重要なB/SとP/Lは、それぞれ独自のチェックポイントを持っている。
それらが、B/SとP/Lから自社の財政状態や収益性を深く理解することを可能とする。
(1)貸借対照表「10のチェックポイント」
B/Sは、以下の指標に注目することで、自社の財務状況を読み解くことが可能になってくる。
①自己資本比率
自己資本比率は、自己資本によって、どれだけの資産を賄っているか、保有しているかを示す。
この数値が高いほど企業は外部借入れに頼らずに事業を運営していることなり、財務的に安定していると考えられる。
計算方法:自己資本比率(%)=自己資本(円)/総資産(円)×100
②流動比率
流動比率は、短期的な財務安定性を示す指標だ。
この比率が高いと、短期間の負債を流動資産でカバーできることを意味するので、企業が支払能力が十分あることを示す。
計算方法:流動比率(%)=流動資産(円)/流動負債(円)×100
③当座比率
当座比率は、流動資産より厳格な流動性の指標であるので、流動比率よりも保守的な支払能力がわかる。
主に現金、預金、すぐに現金化できる当座資産に焦点を当ているので、短期的な負債を確実に支払える能力を示す。
計算方法:当座比率(%)=当座資産(円)/流動負債(円)×100
④現預金比率
当座比率もかなり保守的な支払能力の読み方だが、当座資産の中には『売上債権』も含まれている。
中小企業の中には回収不可能な売上債権をそのまま売上債権として計上していることもあり、そうでなくとも100%売上債権が回収
できるとは限らない。
そこで、100%確実な支払能力を読む方法がこの『現預金比率』である。
計算方法:現預金比率(%)=現預金(円)/流動負債(円)×100
⑤固定比率
固定比率は、長期的な財務安定性を示す指標だ。
この比率が低いほど、企業は自己資本で固定資産を賄っているため、財務的に安定していると言える。
計算方法:固定比率(%)=固定資産(円)/自己資本(円)×100
⑥固定長期適合率
中小企業の場合は極端に自己資本が少ない場合も多く、『固定比率』では長期的な財務安定性が読めない場合が多い。
そこで現実的な長期財務安定性を読む方法が、この『固定長期適合率』だ。
この比率が100%以下であれば、設備投資が長期返済を含んだ資本で調達できていることになり、低ければ低いほどやはり財務的に
安定しており、今後の設備投資も踏まえれば、50%程度を目指したい。
計算方法:固定長期適合率(%)=固定資産(円)/(自己資本+固定負債)(円)×100
⑦手元流動性比率
中長期的な支払能力、財務安定性も大事だが、現代の中小企業の現実問題は短期的な財務安定性だとも言える。
そのためには、向こう数カ月程度の財務安定性を読まねばならないが、その確認がこの『手元流動性比率』だ。
手元流動性比率は多ければ多いほど良く、「向こう3カ月から6カ月程度」の手元流動性比率を確保しておきたいものだ。
安定している。手元流動性比率 = 手元流動性 ÷ 月商
計算方法:手元流動性比率(月)=(現金+預金)(円)/平均月商(円)
⑧売上債権回転日数
中小企業経営の要は「資金繰り」だ。
その一つが前述の『手元流動性比率』でもあるわけだが、その前提がこの『売上債権回転日数』だ。
どうも中小企業の場合は回収を相手まかせにしている場合が多いようだが、しかし売上債権の回収作業は「信用」の構築でもある。
回収をきっちりすることで、取引先に「しっかりしている」と認識させ、支払順位を上げることにもつながる。
また回収を期限通りにするには、日頃責任ある取引をしているからこそできるのあって、だから「信用」も上がるのである。
なお、売上債権回転日数は各企業の取引約定によって、その基準値は決まる(翌月回収であれば30日前後というように)。
計算方法:売上債権回転日数(日)=(受取手形+売掛金)(円)/平均日商(円)
⑨借入金平均月商倍率
経営には借金である「借入金」は付き物だが、しかしそれとて限度はある。
その状況を読む方法が、この『借入金平均月商倍率』である。
財務的な計算上は「月商3カ月分以内」に借入金を抑えたいものだが、現実的には12カ月分ほどがMAXだと考えられる。
計算方法:借入金平均月商倍率(月)=短長期借入金(円)/平均月商(円)
⑩自己資本比率
中小企業は『自己資本』が少なく、よって『自己資本比率』を低いと言われている。
この指標はマクロ過ぎて問題点を見いだせないが、しかし、財務的な最終評価でもある。
安定した経営を志向する以上は、最低でも30%、できれば50%以上は確保したいものだ。
ちなみに「無借金経営」の場合でも、この自己資本比率は流動負債があるので、100%とはならない。
計算方法:自己資本比率(%)=自己資本(円)/総資産(円)×100
これらの指標を通じて、自社の財務安定性や流動性、長期的な健全性を理解することができる。
B/Sは分析をすることで、自社の経営状態を正確に把握し、必要に応じて経営の改善に役立てることができる。
(2)損益計算書のチェックポイント
P/Lは、企業の一定期間(通常は1年)にわたる収益性を把握するのに最適なツールだが、その注目すべき指標は以下の通り。
①粗利率(売上高総利益率)
粗利率は、商品やサービスの販売から生じる利益の割合を示す。
この指標は、企業が提供する商品やサービスの「品質」「価値」「市場での競争力」を反映しているともいえる。
高い粗利率は「利益率」が高い商品やサービスを意味し、それが顧客に受け入れられている良いだ。
計算方法:売上高売上総利益率(粗利率)(%)= 売上総利益(円)/ 売上高(円) × 100
②売上高営業利益率
売上高営業利益率は、企業の営業種目からどれだけの利益が生じているかを示す指標だ。
高い営業利益率は効率的な経営や良好なコスト管理を意味し、企業の収益性の高さを示す。
計算方法:売上高営業利益率(%)=営業利益(円)/売上高(円)× 100
③売上高経常利益率
売上高経常利益率は企業の本業に加え、投資やその他の活動からもたらされる利益を含む企業の全体的な収益性を示す指標だ。
この数値が高ければ、企業がより効率的に資産を活用していることを意味する。
計算方法:売上高経常利益率(%)=経常利益(円)/売上高(円)×100
これらの指標を利用することで、企業の収益性の傾向や効率性を評価し、経営上の強みや弱みを把握することが可能となる。
P/Lを詳細に分析することは、自社の経営状態を全面的に理解する上で欠かせないプロセスだ。
5 まとめ
B/SとP/Lは、自社の財務状況を把握する上で、不可欠な資料であることが理解できたかと思うが、それぞれ異なる情報を
提供し、それぞれが相互に関連している。
1.BSは、特定の時点での企業の財政状態を反映している。これは、資産、負債、純資産の3つの要素から、会社の資産と負債の
バランスを明らかにしている。
2.P/Lは、一定期間内の企業の収益と費用を記録し、その期間の経営成績を示している。売上高、営業外収益、特別利益などの
収益項目と売上原価、販売費及び一般管理費、特別損失などの費用項目から、最終的には当期純利益を導き出す。
3.P/Lの当期純利益とB/Sの利益余剰金は直接的に連携しており、P/Lで収益が増加するとB/Sの資産も増え、その逆も
同様である。
4.B/Sの重要なチェックポイントには、自己資本比率、流動比率、当座比率、固定比率などがあり、財務の安定性や流動性を
示し、企業の負債構造や資金の健全性を評価する際に重要となる。
5.P/Lの重要なチェックポイントには、粗利益率や売上高営業利益率、売上高経常利益率などがあり、これらを通じて、商品や
サービスの利益率、本業の収益力、全体的な経営効率を評価できる。
5.B/SとP/Lの分析は、企業経営の健全性を評価し、必要に応じて改善策を講じるための重要な基礎を提供してくれる。