673.やる気を醸し出すマーケティング①

2024年8月30日

 小規模な経営において、マーケティングを活用することはなかなか難しく、また意識しているところも少ない。

しかしこれだけ社会が成熟化してくると、マーケティングはますます重要性を増してきており、積極的に経営に取り入れる

必要がある。

そこで今回から、カテゴリー別にマーケティングを紹介し、小規模な経営においてもマーケティングを活用できるような紹介を

したいと思します。

 その最初のテーマは『やる気を醸し出すマーケティング』です。

 

1 マーケティングは販売だけではなく、経営全般に関する理論

 マーケティングとは何か?

それは、①どのようなビジネスで ②どのようなお客様を対象に ③どのような価値を与え ④どのようなサービスの仕方

どのような料金で提供するのか という、経営全般に関わる経営理論のことをいいます。

よく誤解されていますが、決して、販売やセールスのだけの理論ではありません。

マーケティングとは経営全般に関わる理論のことをいう!

 

 

2 小さな経営でも優秀な人材はいる

 そして、マーケティングに共通していることは、すべての理論には従業員である「ヒト」が介在するということです。

小さな経営において「人材難」ということがよく言われていますが、決してそんなことはありません。

確かに小さな経営において、大手企業と同じ土俵でのいわゆる優秀と言われる人材を獲得することは難しいと思われます。

しかし、だからといって優秀な人材は大手企業にしかいないのかと言えば、そうではありません。

大企業と同じ土俵に立った、サラブレットのように血統書付きの人材は、確かに小さな企業では少ないかもわかりませんが、

しかし、小さな企業でも血統書は付いていないが、優秀な人材は必ずいます。

ただ血統書付きではないから見つけないといけませんが、まじめに従業員を採用しているのなら、必ず優秀な人材は身近にいます。

小さな経営でも優秀な人材は必ずいる!

 

 

3 課題は発掘と育成

 問題は、それを発掘する眼力と、それを育成する仕組みです。

優秀な人材は、決して高学歴者の中だけにしか、いないのではありません。

そんな人材を発掘することや育成することも、マーケティングの中では紹介されています。

必ずヒントになりますが、条件がひとつあります。

それは、「わが社も取り組む」という経営者の心のあり様と実行力です。

マーケティングを活用する条件はまず取り組むという姿勢!

 

4 やる気を醸し出す最初の一歩は昇給にあり

 いま、付加価値を上げることが大事で、そのために重要なことは「やる気を醸し出す」ことです。

やる気の源泉にはいろいろあると思われますが、その最もベーシックなものが「給料」です。

いくら経営理念で「やる気」や「生きがい」を精神的に説いても、いまの生活や近い将来の生活に不安を感じることがあっては、

従業員の賛同は得られません。

まずはそれなりにいまの生活に不安がなく、ある程度将来の生活も見通せないと、いくら理念を説いても、それは経営者のエゴと

なります。

 そのためには、ニワトリとタマゴの問題ではありませんが、まずは「給料を上げる」ということが先決になります。

そして、給料を上げて、それを吸収し、さらにまた上げられるように、生産性と付加価値を向上させなければなりません。

ここに経営者と従業員の一致点が見られるようになります。

経営者と従業員の一致点を見出すその最初が「昇給」!

 

 ここを間違っている経営者が多くいます。

経営を良くしたらどうなるのか、それを従業員の立場で明確にしないで、ともかく経営を良くするための経営方針などを発表する

経営者が多く、そして経営者がよく言うことは「うちの従業員は思ったように働いてくれない」という嘆きです。

このように考えれば、それは当たり前のことです。

 かの、山本五十六はこのように言っています。

     やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ。

     話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

     姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

 

 これを今回のコラムに合わせて訳すると

 昇給をやってみせ、経営の課題を話し、そのための活動をさせてみて、結果の良いところを誉めなければ従業員は動かない。

 問題点は全員で話し合い、従業員の言うことを尊重し、場合によっては認め、そして任さなければ、従業員は育たない。

 従業員を見れば挨拶と感謝の姿勢で見守り、信頼する姿勢を示さなければ、従業員は大成しない。

こんな感じでしょうか。

 

どうでしょうか、このようにすれば、人は動き、育ち、自覚も伸びて、次世代の人材が育んでいくのではないのでしょうか。