683.信頼を高めるマーケティング④
2024年11月8日
少子高齢化が進んでさまざまな法制度が改革され、経営環境が変化していく中で取引先やお客様からの『信頼』を高めることは、
事業にとってたいへん重要なことです。
そこで今回は、3回に渡って掲載してきた『信頼を高めるマーケティング』について、最後にそのまとめをお送りします。
顧客からの『信頼』を高めることができれば、少々の経営環境の変化があっても、事業を継続できる可能性が高くなります。
是非、このまとめを参考にしていただき、それぞれの顧客からの『信頼』を高めていっていただきたいと考えます。
1 信頼を高めるキーワード
『信頼』を高めるキーワードとして、次のようなものが挙げられます。
・クイックレスポンス
・All or Nothinng 思考
・提案
・プラス思考
・期待以上の期待
・発想の転換
それぞれについて、再度まとめます。
(1)クイックレスポンス
『クイックレスポンス』とは「迅速な対応」という意味ですが、具体的には相手が設定又は期待する時間内に対応することです。
相手が設定又は期待する時間とは、実はコントロールできるものなのです。そこがポイントです。
そのため、「折返し連絡します」というような勝手な期待を抱かせるような返答はしないことです。
少なくとも大よその所要時間を伝えることが大切です。そうすると相手はイライラすることもなく、それまで待つことができます。
このことは、私たち自身も日常で経験していることです。そのことを思い出して対応することが肝心です。
内部のことばかりから考えず、そのように考えることが『顧客の視点』です。
日常、経験していることを振り返ればわかる クイックレスポンスの重要性と対処方法!
(2)All or Nothinng 思考
「All or Nothing 思考」とは「できるかできないか、ハッキリ伝える」ことですが、
本当に大切なことは、ただ単に「できません」で終わるのではなく、どうすれば少しでも顧客のニーズに近づけることができるのか
ということです。この思考が『提案』につながっていきます。
「できる」と「できない」の間にはさまざまな満たせる幅があり、完全ではないけれど、この程度ならできるということはたくさん
あるのです。そこに注目してコミュニケーションをすることが大切です。
「できない」ということはゼロで終わり、前進することはないということです。顧客の視点から考えると、結局は何もしないという
ことになります。
少しでもお客様に貢献する立場である役務の提供者としてはゼロ回答ではなく、いくらかでもできる回答をすべきだと思います。
それが『顧客志向』というものであります。
100%できるか、できないかという『All or Nothinng 思考』に陥らない!
(3)提案
お客様の意見は完ぺきではありません。必ず隙があります。そこに提案する糸口があります。
そのためには親身になって話をよく聞き、「自分ならばどうするか?」というお客様に寄り添う姿勢で話を聞きながら、
顧客の話を鵜呑みにはしないという姿勢が重要です。
その姿勢があれば必ず提案ができるので、よりお客様と親身に話し合え、お客様に気づきを与えられるようになります。
それが『付加価値』となって表れてきます。
ただ言われるとおりのことしか考えないであれば、それは「思考省略」といいます。
その姿勢ではごく当たり前のことしかできず、お客様に対してより良いアイデア・提案を与えることはできません。
提案は顧客の話を鵜呑みにしないという姿勢から始まる!
(4)プラス思考
お客様に良いアイデアを与えるためには『プラス思考』で臨まなければなりません。
プラス思考で臨むと、それがお客様にワクワクする気持ちを抱かせ、やる気を醸し出させ、良い結果を与えることになります。
ただ聞くだけで、「それはお客様の問題」という第三者面した姿勢では、そのようなエネルギーを与えることはできません。
プラス思考が提案を促し、顧客を前向きな姿勢にする!
(5)期待以上の期待
言われることだけに応えるだけの姿勢では、お客様の期待以上に応えることはできません。
なぜなら、期待値内の期待に応えるだけでは、顧客にとって「当たり前」だからです。
顧客期待値である満足度の計算式は「顧客が感じた期待値ー顧客の事前期待値」です。
事前期待値に100%応えたとしても、顧客満足度はプラスにはなりません。
期待以上の期待に応えるためには、お客様の期待以上、あるいは期待の外にある期待にも応えることが必要です。
顧客の言いなりに応えても顧客満足度は上がらない!
(6)発想の転換
これらのことを実現していくためにも『発想の転換』が必要です。
私たちは顧客以上に発想の転換ができる『アドバンテージ』を持っていることを知っていますか?
それは何かといえば「顧客以上には顧客のことを知らない」ということです。
もし仮に、顧客と同様に顧客を知っていれば、同じ穴の狢となり、顧客にはない発想は沸いてきません。
知らないからこそ、顧客が気づかない提案ができるのです。
そのためにはそのことに尻込みをしない『勇気』が同時に必要になって来ます。
知らないことが『発想の転換』の源泉、提案するには尻込みしない『勇気』が必要!
『クイックレスポンス』『All or Nothinng 思考』『提案』『プラス思考』『期待以上の期待』『発想の転換』に
『勇気』を加えれば、『高付加価値経営』が実現する。