67.2011年度の経営課題
2011年1月18日
■2011年度の各経済予測
財界人が予測する日本経済成長率 0.2%~1.8%
財界人が予測する日本株式市場 最高値は11,000円~13,000円
財界人が予測する対ドル円相場 80円~90円
エコノミストが予測する景気回復時期 2011年後半から
エコノミストが予測するデフレ脱却時期 2013年
IMFが予測する2011年日本経済成長率 1.5%
2011年日本経済成長率の年間換算 2.1% *2010年1.4%を大きく上回る
日本の技術力、潜在的な競争力、勤勉さなどをもって、いよいよ今年は日本経済の再躍進が始まりそうだ。
しかしこのことは、1980年代の再来をもたらすのではなく、新しいグローバル時代2010年代の幕開けを示すのだと思う。
つまり、今回の経済回復は中小企業すべからくにとっての経営環境改善をもたらさない。これまで経営改善、時代最適化に努めてきた中小企業にのみ経済環境が改善する。
本年はそんな新しい時代を迎えての“躍進”を備えた前哨戦となる。そこで中小企業にとって重要な経営指針は、もう一年、攻めの経営より守りの経営に重心をおいた『脚下照顧』となる。
■『脚下照顧』経営マネジメント
(1)手持ち資金は十分か
手持ち資金とは、手元流動性(現預金+有価証券)のこと。十分とは、平均月商又は運転資金要調達高と比べてどうかということ。
①手元流動性 > 平均月商2・3ヶ月分 または
②手元流動性 > 運転資金要調達高
(2)固定費を十分下げているか
固定費を下げるとは、利益が出やすい体質かどうかということ。つまり、損益分岐点が低いかどうか。
①実額で前年より伸びている固定費がないか、あれば削減する
②対売上高比率で伸びている固定費がないか、あれば削減する
③売上高伸び率より伸び率が高い固定費がないか、あれば削減する
(3)変動費比率を十分下げられているか
変動費比率とは直接原価率のこと。変動費比率を下げるとは固定費を回収するパワー“限界利益率”を上げるということ。
①在庫は十分圧縮されているか、回転期間でチェックする
②仕入品目は十分絞られているか、そのためにはターゲティングを明確にしているか
③仕入数量はフレキシブルにしているか
(4)回転率をあげているか
回転率をあげるとは筋肉質の財務体質にするということ。
①総資本回転率は上げられているか
②売上債権回転期間は短縮しているか
③たな卸資産回転期間は短縮しているか
④有形固定資産回転率は上げられているか
(5)借入金依存度は適正か
借入金依存度を適正にするということは、無理な資金調達をやめるということ
①借入金対月商倍率は3倍以内か
②債務償還年数は10年以内か
③キャッシュフローは十分か
2011年はぜひ、この15の経営指標をもって経営をマネジメントしましょう。
本年も経営会計を活かした経営技術を磨きましょう。