74.月次試算表PLの活かし方
2011年6月16日
毎月、会計事務所より月次試算表が届けられていると思います。
えっ、届けられていない・・!? そんな会計事務所は変えましょう!!
えっ、見ていない・・!? MOTTAINAI!
月次試算表は経営管理資料ですよ。ポイントを見ることによって、事前に問題点などを察知できます。
すぐしまい込んでしまっている方は、ぜひ、一目でも見るようにしてください。
売上と経常利益を見ている方は、いいですね、ぜひ、続けてください。
今回はあらためて損益計算書(P/L)の基本的な見方をご紹介します。
ポイント1:売上高を確認する
売上高は実額よりも“前年比”で確認することが大切です。さらに予算と比べることもできるならベストです。重要なことは少しでも異常を感じ取ったなら、どんな些細なことでも改善策をすぐに講じることです。そのような経営を『スピード経営』といいます。
例えば、販路を拡大する・取引エリアを拡大するには、インターネットの活用(ネットショップ・ホームページ)がコストパフォーマンスから考えても効果的です。
ポイント2:売上総利益を確認する
売上総利益は“実額”と“率”で確認することが大切です。前年及び予算と実額対比、利益率対比をします。もし悪ければ仕入などを見直し売上原価を削減する、あるいはプロダクトミックスなどで利益率を改善します。ともかく、いまは事なかれ主義の経営では生き残っていけません。ともかく経営をマネジメントする、工夫するという意識が大切です。たとえ僅かな削減策でも利益率改善策でも、会社業績に大きな影響を与えます。少しでも改善策があれば、すぐ実行です。ここでも『スピード経営』が大事です。
優良企業と一般企業との差はこの売上総利益率、言い換えれば売上原価率に大きな差があります。なんとかして改善します。社長が改善しないと誰も改善してくれません。
ポイント3:営業利益を確認する
営業利益とは、『本業の儲け』と言えます。これが前年比、予算比で下がっている、あるいは営業損失では、事業存続の問題となってきます。営業利益の改善方法は「販売費及び一般管理費」の削減です。経費を始末すればそれだけ営業利益は増え、また資金繰りも改善します。経費削減は聖域ナシ、例外ナシ、トップ率先垂範です。
経費を抑えるには、無駄・節約・倹約・削減(MSKS)の観点から考えます。無駄とは必要なときに必要な量だけを購入するという JUST in TIME の考え方です。節約とは使用する量を抑えるという考え方です。倹約とは安価な代替品にするという考え方です。削減とは文字通り、我慢するという考え方です。
東日本大震災から3ヶ月。その影響ですでに160社に及ぶ企業が倒産しています。この影響力は阪神淡路大震災4倍以上です。またその影響は全国に及んでいます。これからますます厳しい経営環境に入ってくると思われますが、注目すべきことは、倒産に至った企業経営者の9割が、決算書・月次会計資料が読めなかったということです。決算書や月次会計資料が読めていたなら、もう少し違う結果になったのではと言われています。先行きが読めない経営環境において、『会計資料を読む力』は非常に重要です。