93.財表基本知識 C/Sの構造

2012年9月28日

5.キャッシュフロー計算書(Cash flow Statement)の基本構造

C/Sとは年間の資金(Cash)収支(flow)の計算書です。
その資金収支を営業・投資・財務の3つの活動に分けて計算したものです。

(1)営業キャッシュフロー(営業CF)
営業CFとは会社の営業活動だけで計算した資金収支計算です。営業活動による資金収支ですから、当然その結果はプラスでなければなりません。もし営業CFがマイナスであるならば、損している営業活動をしていたことになるので、至急に是正しなくてはなりません。

(2)投資キャッシュフロー(投資CF)
投資CFとは会社の投資活動、つまり設備等の購入だけで計算した資金収支計算です。設備投資等による資金収支なので、通常はマイナスとなります。もし投資CFがプラスであるならば、設備等を売却していることを意味します。

(3)フリーキャッシュフロー(FCF)
ここでC/Sの見方のポイントがあります。営業CFと投資CFを合計したものがプラスなのかマイナスなのかということです。営業CFと投資CFを合計したものをフリーキャッシュフロー(FCF)といいます。FCFは借入金返済の財源であり、また内部留保の財源です。このFCFがマイナスであれば、借入金返済もできませんし、内部留保の積立もできなくなります。したがって基本的にはFCFはプラスになるように経営しなければなりません。ということは、設備投資は営業CF内で行うことが原理原則だということです。ここが資金繰りのポイントです。FCFがマイナスということは資金繰りが厳しいことを示します。

(4)財務キャッシュフロー(財務CF)
財務CFとは借入金の返済活動及び借入活動だけで計算した資金収支計算です。財務CFがマイナスであれば借入金返済をしていることを表し、プラスであれば借入を起こしていることを表しています。

C/Sはこのように会社の資金収支状況を3区分に分けて表し、資金上の課題や問題を表しています。

最後にもう一度、整理しましょう。
(1)営業CFはプラスでなければならない。マイナスは要注意。
(2)設備投資は営業CF内で行うことが原理原則。
(3)したがってFCF(営業CF+投資CF)はプラスになるようにマネジメントする。
(4)FCFが借入金返済の原資となり、未来の設備投資の財源となる。

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