101.財表基本知識 B/Sの意味

2012年10月6日

13.よりB/Sを理解する -B/Sは資金の調達と運用を表す-

財務諸表で一番重要な情報を網羅的に包括しているのは「貸借対照表(B/S)」です。
今回からはそのB/Sをより理解するための補習的に解説をさせていただきます。
今回は「B/Sは資金の調達と運用を表す」です。

資金の調達とは、「事業資金をどこから持ってきているか」ということです。これはB/Sの右側、総資本(負債+純資産)に表示されています。
大きくは、自社で用意した「自己資本」と自社以外から調達した「他人資本」とに分けられます。
自己資本とは、純資産のことであり、資本金と繰越利益(営業活動で積み立てた利益)です。
他人資本とは、負債のことであり、その返済期間で流動負債と固定負債に分けられます。

そうして調達した資本をどのように使っているのか(つまり運用)を表示したものが総資産です。
総資産は資金化できる期間で3つに分けられます。
流動資産は、1年以内に資金化できると考えられる資産です。そのなかでより確実に資産化できるものを「当座資産」といいます。
固定資産は、1年以上をかけて資金化できると考えられる資産です。これらの資産は現預金化されて資金化されるというよりも、減価償却という形で資金化されます。
繰延資産は特殊だが、開業時に発生する資産です。これも減価償却という形で資金化されます。

これらを図式化すると下記のようになります。

BSは資金の調達と運用を表す

図を御覧いただきたい。
(1)まず会社は自己資本と他人資本という形で事業資金を調達します。自己資本は純資産に記録され、他人資本は負債に記録されます。
(2)次にそれらの資本を資産に投資(購入)します。
(3)そしてその資産の運用を繰り返し、運用がうまく行けば資産は増加し、失敗すれば資産は減少します。
(4)最後にそれらの活動を記録したのもが「貸借対照表(B/S)」という財務諸表であり、月次で記録され、最終的には決算書になります。

何となく、B/Sがわかりましたか? そう感じていただければ、あなたの理解力は確実にアップしています。

ご質問等はインプルーブ研究所まで。お気軽に。