103.財表基本知識 B/Sの改善
2012年10月8日
15.よりB/Sを理解する -財務体質の改善とは-
よりB/Sを理解するの最後第3回目は「財務体質の改善」についてです。
(1)会社の財務体質とは
資金の運用は下図のように、当座資産、当座資産を含む流動資産、固定資産の3つに分けられます(ここでは繰延資産は無視します)。
資金の調達も同様に、負債(流動負債・固定負債)、資本金、繰越利益の3つに分けられます。
この割合のことを『財務体質』と云います。
財務体質の改善とは「総資産と総資本それぞれの構成比を変える」ことをいいます。
(2)良い財務体質とは
①資金の運用は上方の割合を高めることです。つまり、固定資産は必要最小限度にし、なるべく現預金に近い形で資産を持ちます。そのことを「資産の流動性を高める経営」と云います。
②資金の調達は下方の割合を高めることです。つまり、短期借入金などの流動負債はなるべく減らし、資本金や繰越利益剰余金を高めます。言い換えれば黒字経営を続けることです。そのことを「資本の固定性を高める経営」と云います。
(3)悪い財務体質とは
スバリ、現預金のない状況であり、借入金などの他人資本に頼っている状況です。
その根本的原因は赤字の継続です。
以上で「財務諸表の基本知識」は終わりです。
こうして財務諸表を見るといままで何気なくもらっていた財務諸表も意外と得るところがあるのではないのでしょうか。ぜひ、月次財務諸表あるいは決算書で自社の客観的な状況を知り、環境の変化に負けない強い会社を作って行きましょう。
次回からは「自社の黒字経営」シリーズを始めます。お楽しみに・・。
ご質問等はインプルーブ研究所まで。お気軽に。