107.黒字経営 必要黒字額
2012年10月12日
4.必要な黒字額
皆さんは黒字経営のであれば良いと思っておられないだろうか。確かに黒字経営は健全な事業を継続するための第1要件です。しかし、単に黒字経営であれば資金繰りなども含め、スムーズな経営が継続できるということではありません。当然のことながら、それぞれの会社の状況で目指すべき黒字経営額というものは違ってきます。今回はそんな「必要な黒字額」ということについて考えたいと思います。
(1)利益の約40%(このことを法定実効税率といいます)は納税額
①例えば、経常利益100万円の場合・・
法人税等 40万円(40%)
当期純利益 60万円(60%)
この税金納付後の「当期純利益」が次期へ繰越できる利益となります。
②実は銀行借入金の返済は当期純利益から返済します。
③仮に年間返済額が120万円であれば、上記の例では60万円不足することになります。したがって、資金繰り的には経常利益だけでは足りないことになります。
④納税の対象となる利益は「税引前当期純利益」と言います。
税引前当期純利益 = 経常利益+(特別利益-特別損失)
⑤現在の法定実効税率は正確には 40.86% と云われています。
なお、この法定実効税率は地域・利益の状況によって違いますし、今後は下がる方向です。
2.必要な黒字額とは
*ここでは特別損益がないものと考え、経常利益=税引前当期純利益として考えます。
①銀行借入金年間返済額が120万円、必要な繰越利益額60万円の場合
返済額120万+繰越利益額60万 = 必要当期純利益180万円
この180万円が40%の法人税等を差引した後の金額、つまり経常利益の60%にあたる金額になります。
②したがって必要経常利益は次のとおりとなります
必要経常利益 = 当期純利益180万円÷60% =300万円
③経常利益が100万円であれば、あと200万円増やさないと借入金年間返済額120万円と繰越利益60万円が確保できないことになります。
以上、今回のポイントは2点です。
①銀行借入金は利益から返済するということ。
*ちなみに利息は営業外費用で支払っています。
②必要な利益を60%で割ることで、目標とする経常利益が算出できるということ。
ご理解いただけましたか・・
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