1.中小企業の存在意義
2009年3月30日
私たちの現状
私たち中小企業(注1)はなんと日本の企業421万社(注2)の99.7%を占め、かつ日本の従業者数の7割に雇用を提供しています。さらに製造業における付加価値額は5割以上を占めています(2006年現在)。小規模企業(注3)に絞っても企業数は87%を占め、従業者数は25%、製造業付加価値額は10%を占めています。まさに私たちは日本の屋台骨を支える存在であり、日本経済発展の鍵は私たちの活力が握っていると言っても過言ではありません。私たちはそのことをよく認識し、「気概」と「誇り」を持って経営に当らないといけないのではないのでしょうか。
注1:中小企業:常用雇用者300人以下(卸売・サービス業は100人以下、小売・飲食店は50人以下)、または資本金3億円以下(卸売業は1億円以下、小売・飲食・サービス業は5,000万円以下)の企業を中小企業といいます。
注2:421万社:企業数=会社数+個人事務所
注3:小規模企業:常用雇用者20人以下(卸売・小売・飲食・サービス業は5人以下)の企業を小規模企業といいます。
一方、2004~06年の3年間で13万社が減少している事実があります。そのうち中小企業の減少件数は12.8万社と98.5%を占め、小規模企業に限ると11.4万社と88%を占めるという私たちは厳しい状況にあります。更に昨年よりの「百年に一度」と言われる経済不況を考慮すれば、今後ますます私たち中小企業を取り巻く環境は厳しくなると予想されます。■■
私たちがいなければどうなるか
このまま私たち中小企業が衰退していけば、残るのは大企業だけとなります。するとそこは弱肉強食、固定的な優勝劣敗の世界となり、結果として全体主義化された社会となってしまいます。人々は淡々と大企業の組織の中で働き、そこを溢れた人々は弱者として扱われるという活力のない社会となってしまいます。そんな社会にならないためにも、健全な社会を維持するためにも、そして活力あふれた自由闊達な社会にするためにも、多様性に富んだ私たち中小企業の存在は非常に大事だと思います。だから私たち中小企業は逞しく生き残っていかねばなりません。
重要なことは何か
そこで重要なことは何でしょうか。経営マインド?営業センス?マーケティング?事業企画?いずれも経営する上においては大切なことですが、それらのことは大なり小なり事業を起こした以上、すべての事業家は持っていると思います。そのうえで毎年4万社以上の企業が倒産・廃業しているわけです。いずれの場合も突然、前触れもなく倒産に追い込まれた、廃業にせざる得なくなった、ということはほとんどないのではないのでしょうか。本当は会社の現状を事前に察知し、その対応のための行動を取っていれば違った結果、あるいはソフトランディングな廃業・解散ができたのではないのでしょうか?つまり、経営マインド、営業センス、マーケティング、事業企画などに加えて大切なことは、「会計資料を見る」、「会計資料が読める」ということです。
経営をされている皆さん、会計資料を見ていますか? 会計資料を読めますか?
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