2.会計は経営するための業務

2009年4月12日

会計資料とは
主な会計資料には、合計残高試算表(月次決算書)、仕訳帳、元帳などがあります。関与を依頼されている会計事務所によっては、そのほかに経営分析表も提供してくれるところもあります。
合計残高試算表(以下、「試算表」という)は、貸借対照表と損益計算書から構成されており、貸借対照表はあなたの会社の経営状況や財政状況を教えてくれます。損益計算書はあなたの会社の営業状況を教えてくれます。
仕訳帳は日々の取引一覧表です。この仕訳帳を元に、試算表や元帳が作成されます。
元帳は仕訳帳を科目単位に集計し直した資料です。科目によっては銀行や取引先あるいは人別の明細書があったりします。つまり、試算表科目の明細書ともいえます。
経営分析表は各勘定科目を比較したりして経営状況を明らかにしてくれるものです。実は会計資料であなたの会社の状況を理解するには、単に科目の数字を見るだけでは「いくら儲かっている(いない)」「いくら金額がある」ということはわかっても、それぞれ関係のある科目同士を比較しないとわかりません。例えば、100万円の利益が出ているとわかっても、これは良いのか悪いのかは判断できません。去年と比べたり、同業他社と比べて初めて判断できます。あるいは売上高と比べて利益率は良いのか悪いのか、さらに資本金と比べて収益性は高いのか低いのかが判断できるわけです。
経営者にとって大切な会計資料とは
会計資料には多くの種類がありますが、どの経営者にとっても大切な会計資料は「試算表(貸借対照表・損益計算書)」、「経営分析表」、それに「資金管理表」の3種類です。そのほかにもそれぞれの会社において大切な会計資料はあると思いますが、この3種類はどの会社にも共通して大切な会計資料です。
会計資料の状況
社長、この3種類の会計資料はお手元にありますか?
おおきな会社は財務担当役員や部長がいますので手元にいなくとも良いかも知れませんが、私たち小さな会社は社長の手元にこれらの会計資料がなくてはいけません。
社長、この3種類の会計資料を見ていますか?
見ても余りわからないから・・って、私たち小さな会社の社長はわからなくても見ないといけません。慣れれば、それなりにわかってくることもあります。
社長、この3種類の会計資料を読めますか?
私たち小さな会社の経営者はそれらの資料を自ら読めなくてはいけません。読めることによって自社の課題がわかってきます。読めることによって自社の危険因子が事前にわかります。読めることによって自社の強みをさらに強固にもできます。
会計資料は速報性が大事
あなたの会社にはこれらの会計資料がいつ届いていますか?翌月末ですか、それとももっと遅いですか、それとも来てません!?。先ほど読めることが大事だと言いましたが、それが2ヶ月も3ヶ月もあとでは意味ありません。せめて、翌月10日ほどには前月の会計資料が欲しいところです。そのためには「自計化」する必要があります。自計化とは自分の会社のパソコンで、正しい会計処理をすることです。自計化は会計処理の速報性を向上させるためにと、経営にすごく役立つ会計「管理会計」を行うためには絶対必要なことです。またいつまでも領収書を渡したり、伝票を渡したりする時代ではありません。いまやパソコンで会計をやることは常識、当たり前です。私たちにとってIT化の第一歩は「会計処理の自計化から」ともいえます。
インプルーブ研究所に参加されている会計事務所では『自計化による会計指導』と会計を中心とした『定例勉強会』を皆さまに向けて開催されています。
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