151.マーケティング 戦略ドメイン設定
2014年1月25日
第2話 戦略ドメインの重要性
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(1)顧客の視点がポイント
アメリカはその昔、鉄道大国であった。なぜ、その鉄道がアメリカでは衰退したのか?。
その岐路は鉄道会社自体が自社の事業を「輸送業ではなく鉄道業と考えていた」ことにあったと云われる。つまり、自社の事業を自社の視点からしか考えず、顧客の視点で考えなかった。顧客がトラックや車・バス、また飛行機に奪われても、それは自動車業界の問題、航空業界の問題と考えていた。そして気づいたときには人の移動手段や物品の輸送手段は自動車業界や航空業界に奪われ、挽回することができなかった。
これらの教訓は私たちに二つのことを教えてくれる。
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ひとつは、自分の仕事を「自社の視点からしか考えない」ということだ。
例えばお米屋さん・・。現在、お米屋さんはどんどん減っている。米屋を米穀業としてしか捉えてないか、食料品業として捉えているか、これだけでも環境の変化の見え方が随分違って見える。
このようなことは意外と私たちの身近で起こっている。
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もひとつは、「一旦遅れをとると挽回するのには大変だ」ということだ。これからアメリカの鉄道業も、クリーンエネルギーなど環境意識の高まりやリニヤなどの技術革新によって挽回すると思われるが、しかしそれまでにすでに百年以上の時間を要している。
私たちのビジネスも同様だ。したがって不断の努力が大切だ。
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(2)製品志向ではなく市場志向で考える
アメリカの鉄道会社のような考え方を製品志向という。例えば、最近の保険業界は「保険を売っている」とは考えていない。「なぜ、保険があるのか」という市場志向あるいは顧客の視点で考えると「将来の安心を提案している」と考えられる。「将来の安心」と考えると、必然的に保険だけではなく他の事業領域も関心事も拡がってくる。したがって、アメリカの鉄道会社の教訓を活かしているといえる。
一度、自社の事業についてこのような観点から考えてみたらどうか?