161.マーケティング 戦略のポジショニング

2014年3月24日

第12話 戦略のポジショニング -自社の取るべき戦略を考える-

経営戦略を考える場合、自社の経営資源の量と質で、その方向性が決まる。そのことを『戦略のポジショニング』という。
経営資源とは、ヒト・モノ・カネ・情報の4つだ。
ヒトとは人材、つまり社員だ。モノとは設備や技術だ。カネとは資金だ。情報とはブランディングと言える。
その数とパワーが、経営資源の量と質だ。一般的に中小企業の場合はいずれも少ない又は低いと考えられる。

 

1.経営資源の量と質で取るべき戦略イメージ

(1)リーダー
   リーダーとは、経営資源の量も多く、質も高い企業をいう。その業界における大手企業、有名企業である。

(2)ニッチャー
   ニッチャーとは、経営資源の量は少ないが、質は高い企業をいう。その業界においては決して有名ではないかもしれないが、
   その一分野においては高いシェアを握っている企業である。

(3)チャレンジャー
   チャレンジャーとは、経営資源の量は高いが、質は低い企業をいう。進出まもない大手企業である。

(4)フォロワー
   フォロワーとは、経営資源の量も少なく、質も低い企業をいう。一般的な中小・零細企業である。

中小企業とは規模での定義であるので、基本的にはフォロワーからスタートし、ニッチャーまたはチャレンジャーをめざし、最終的にはリーダーへ至ることになる。

 

2.具体的に取るべき戦略

(1)リーダー企業
  ①マーケットを拡大する・・・自社が今後も拡大成長するためには市場を拡大していかねばならない。
  ②非価格競争による差別化・・業界で値崩れが起きないように価格以外で差別化を図って行かねばならない。
  ③市場占有率の維持と拡大・・リーダー企業としての地位を守るためにマーケットシェアを維持拡大せねばならない。
  ④ラインナップの充実化・・・あらゆる企業の追随を許さぬためには品揃えを充実化せねばならない。

(2)ニッチャー企業
  ①特定市場への特化と集中・・少ない経営資源で企業ポジションを守るためには少ない資源をその分野へ集中せねばならない。
  ②非価格競争による差別化・・特定の分野で資金を確保するためには価格以外で常に魅力を維持していかねばならない。

(3)チャレンジャー企業
  ①リーダー企業との差別化・・後発企業であるため、常にリーダー企業との差別化を意識して挑戦していかねばならない。
  ②マーケットシェアの拡大・・課題はマーケットシェア拡大。価格競争も視野に入れ、シェア拡大を図らなくてはならない。

(4)フォロワー企業
  ①模倣の市場投入・・・・・・常に後発商品を開発し、機能や品質を落とさずに低価格商品を市場に投入する。
  ②リーダー企業の追随・・・・自ら市場を開拓拡大することなく、リーダー企業が拡大した市場に進出する。

このように、経営資源から自社のポジショニングをすることで、明確にとるべき戦略と目指すべき方向が明確になる。

 

これらを図示すると下図のようになる。

               <戦略のポジショニング>

戦略のポジショニング