162.マーケティング 製品-市場マトリクス

2014年3月31日

第13話 製品-市場マトリクス -これらの成長方向を考える-
「製品-市場マトリクス」とは経営学者アンゾフが考えた事業成長戦略モデルだ。 成長戦略をマーケットとプロダクトを切り口に、新・旧に分けて考えると、下図のようなマトリクスになる。

製品市場マトリクス

1.各マトリクスの説明

(1)市場浸透戦略
市場浸透戦略とは、いまの市場で、いま取り扱っている製品・商品・サービスなどの売上を伸ばそうとする考え方だ。現市場をさらに深堀していくには顧客密着度の強化がポイントだ。

(2)新商品開発戦略
新商品開発戦略とは、いまの顧客に対して、新しい製品・商品・サービスなどを提供し売上を伸ばそうとする考え方だ。新商品とは、モデルチェンジやバージョンアップ、高付加価値化などの改良も含む。新商品開発戦略のポイントはホームページなどウェブを活用し、その機能や特徴を詳しく見える化し顧客に伝えることだ。

(3)新市場開拓戦略
新市場開発戦略とは、いまの顧客以外で売上を伸ばそうとする考え方だ。簡単に言えば、地元から県全地域、県全地域から全国、全国から海外に広げようという考え方だ。実際には地域だけでなく、性別・年代・ライフスタイル・シチュエーションなど、いろいろな切り口が考えられる。新市場開拓戦略のポイントはインターネットショップの活用だ。インターネットショップは全世界から注文が取れる。

(4)多角化戦略
多角化戦略とは、新しい顧客に新しい事業分野に進出して、売上を伸ばそうする考え方だ。現在は多くの大企業が多角化戦略を取っている。例えば、JRは駅構内にさまざまなショップを誘致しワンダーランド化させている。例えば、飲料メーカーは研究を応用しサプリメントに進出している。またフィルムメーカーがコスメティックに進出したりしている。最大のポイントはいままでのドメインや技術・ノウハウなどが活かせる領域に進出するということだ。

 

2.マトリクスの優先順位

(1)基本的な優先順位
「必ず、この順番で考えなくてはならない」ということはないが、基本的な順番というものはある。まずは「いまのお客様を大事にする」ということから、市場浸透戦略が第1優先となり、第2優先が新商品開発戦略となる。逆に言えば、それだけ新市場、新顧客を開拓するというのは大変ということだ。
特に中小企業の場合は市場浸透戦略を大切にすべきだ。というのは、まだまだお客様にさせていただいていないことが多くあり、浸透戦略を取ることによって差別化につながってくるからだ。さらにその差別化が新市場開拓にもつながってくる。

(2)インターネットを重要視する
これらの成長戦略を実行するうえで重要なことは、インターネットだ。「インターネットを重要視する」ということはホームページを開設しているしてないだけでなく、活用しているかということだ。多くの中小企業があまりにもインターネットを軽視しすぎている。「忙しいから更新できない」などの弁明をよく聞くが、それは他のことと比べて優先順位を下げているということだ。
むしろ、現在はその優先順位をあげる必要がある。