163.マーケティング PPMマトリクス

2014年4月6日

第14話 PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)マトリクス
PPMマトリクスとは米国ボストン・コンサルティング・グループが開発した『経営資源配分』の考え方だ。
投資を増やすのか、投資を抑え回収を図るのか、撤退を考えるのか、ということだ。
プロダクトとは製品の意味だが、事業分野と捉えてもいい。
ポートフォリオとは紙挟み、札入れ、折りたたみ式の書類カバンの意味だが、転じて安全性や収益性を考えた分散投資の組み合わせを意味する。

ボストン・コンサルティング・グループは製品ライフサイクルを「市場成長率」「市場シェア」から4つの象限に分けて、それぞれにどのように経営資源を配分するべきかを下図のように示した。

 PPMマトリクス

1.問題児
問題児とは、市場は成長しているが、マーケットシェアが低い状態の製品・事業分野を指す。当初、投入した製品や膠着状況の製品というイメージだ。市場の成長に対して投資が不足している製品・事業で、積極的な追加投資を続けるのか、それとも撤退するのか見極めなければならない。現状は資金流出が激しく、資金流入は少ない製品・事業で、テレビ事業や半導体事業などがあげられる
やがては、花形になるか、負け犬になる。

2.花形
花形とは、市場もマーケットシェアも高い製品・事業分野を指す。投入した製品、進出した事業のシェアはどんどん上がっているが、市場の成長に合わせた投資を続けることが必要な激しい競争をしているイメージだ。現状は資金流出も大きいが資金流入も大きい製品・事業で、ハイブリットカーなどがあげられる
やがては、金のなる木にさせたい。

3.金のなる木
金のなる木とは、市場成長率は落ちては来たが、マーケットシェアは高い状態の製品・事業分野を指す。激しい競争を勝ち抜いた製品というイメージだ。大きな追加投資なしにキャッシュフローを生み出す製品・事業で、資金源として維持し、投資をコントロールしなければならない。現状は資金流出は落ち着き、資金流入が大きい製品・事業で、サントリーのウイスキー事業などがあげられる。
やがては、負け犬になっていく。

4.負け犬
負け犬とは、市場成長率も落ち、マーケットシェアも低い状態の製品・事業分野を指す。製品・事業の最後の姿でもあり、投入に失敗した製品・事業の姿でもあるというイメージだ。将来性は低く、基本的には撤退すべき製品・事業である。現状は資金流出も流入も小さい製品・事業で、キリンのウイスキー事業などがあげられる
製品・事業の最後の姿でもあり、投資を失敗した製品・事業の姿でもある。

 

このPPMマトリクスのポイントは市場成長率とマーケットシェアで判断するということだ。