164.マーケティング 製品ライフサイクル理論
2014年4月15日
第15話 製品ライフサイクル理論(Product Life Cycle)
製品ライフサイクル理論とは、よくご存知の、製品寿命は「『導入期⇒成長期⇒成熟期⇒衰退期』の4つのステージを経て終える」という理論だ。その間の製品の売上高は下図のように推移し、各ステージによって特長や課題があるので、マーケティング戦略も違ってくる。
< 製品ライフサイクル図 >
1.導入期
製品の認知度はまだ低いので需要もあまりない状況のため、利益は出ないが、市場開拓のためのマーケティング戦略を立案し、ともかく商品の認知度を上げることが重要な課題となる。製品コンセプト、基本的機能や使い方などを伝え、対象顧客にその商品を使ってみようと思わせることが大切である。
前回のプロダクトポート・フォリオ・マネジメント(PPM)で言えば、『問題児』に当たる。
2.成長期
ある程度認知され、需要も喚起され、売上高・利益ともに上昇するが、一方、新たな市場参入業者も増える段階である。マーケットにおけるシェアの拡大及び確立が課題となり、ブランドイメージを浸透・高めるコミュニケーションが重要となる。また新機能の追加や生産ラインも拡大されるため、対象顧客に十分告知するとともに、具体的な利便性を伝えることが大切である。
前回のプロダクトポート・フォリオ・マネジメント(PPM)で言えば、『花形』に当たる。
3.成熟期
マーケットシェアが固定化され、競争相手もある程度安定し、売上高としては逓減を見せ始める段階である。各社製品間で機能差がほとんど見られない中でのシェア争いとなるため、マーケットにおけるポジショニングとシェアの維持が重要となる。会社ならびに商品ブランドイメージを強化する『ブランドロイヤリティ』を高めることが大切である。
前回のプロダクトポート・フォリオ・マネジメント(PPM)で言えば、『金のなる木』に当たる。
4.衰退期
売上高・利益・競合ともに衰退が表れる段階である。経営判断として撤退のタイミングを検討することが重要となる。シェア獲得よりも保守的顧客に対するメンテナンスや社会的責任を果たすことが大切である。
前回のプロダクトポート・フォリオ・マネジメント(PPM)で言えば、『負け犬』に当たる。
製品ライフサイクル理論はマーケティング戦略の基礎的な理論であり、そのガイドラインとして有効な考え方である。
しかし一方、この世の中にはこの製品ライフイクル理論を超えた商品、超ロングセラー商品も多く存在することも事実である。
したがって、製品ライフサイクルを変える視野も持って、戦略立案することが重要である。