165.マーケティング 基本戦略マトリックス
2014年4月20日
第16話 基本戦略マトリックス
基本戦略マトリックスとは、米国ハーバード大学経営大学院の経営学者マイケル・E・ポーターが提唱している基本戦略モデルである。ポーターは「5フォース(「156.5フォース」を参照)のいずれかを凌駕した企業が業界を制することができる」といっており、この競争要因を凌駕するためには、他の企業と差別化した「差別化戦略」、高品質低価格による「コストリーダーシップ戦略」、特定分野や特定市場を狙った「集中戦略」の3つの基本戦略のいずれかを採ることが重要と提言している。
<ポーターの基本戦略マトリックス図>
上図のように、競争優位と対象市場で基本戦略は4つに分けられる。通常は、狭い対象市場を狙う2つの考え方を一つのまとめて1.コストリーダーシップ戦略
2.差別化戦略
3.集中戦略
の3つで「基本戦略」とされている。
1.コストリーダーシップ戦略
低コストによって広い市場を支配する考え方で、一般的に経験曲線効果(習熟度によるコスト低減)、技術革新、規模の経済性などによって実現する。ブランド化が図れることによって、高い収益性を確保することができる。
2.差別化戦略
広い市場で特異なポジションをつくりだす「競争しない競争戦略」という考え方であり、真似されにくい独自の製品やサービスを創り出すことや競合他社とは違うエリアを見出すことなどがポイントだ。成功すればその領域においてより強固なブランド化が図れるので、高い収益性が確保できる。たとえば、オートバイ業界におけるハーレーダビットソン、自動車業界のポルシェ、あるいはバーガー業界のモスバーガーなどを連想すればよい。
3.コスト集中戦略・差別化集中戦略
3つめの考え方は、特定地域や特定顧客に競争の範囲を限定することで、限定的に優位に立とうとする考え方だ。特にコストで勝負する考え方を「コスト集中戦略」といい、付加価値・差別化で勝負する考え方を「差別化集中戦略」という。