167.2012年法人の申告状況
2014年5月27日
毎年5月になると国税庁より「会社標本調査」が発表されます。
この調査は前々年度の法人企業申告状況をまとめたものです。現在は平成26年度です
から、平成24年4月から平成25年3月までに申告された平成24年度分の法人申告状況
がまとめられています。
1.平成24(2012)年度の黒字企業割合は29.7%
それによりますと、平成24年分の黒字企業割合は前年に比べ2.0%増加し、29.7%と
なりました。黒字割合が2.0%も増加したのは、戦後初めてです。それだけ企業業績が
改善してきたことを示しています。
なお、黒字企業とは、正式には利益計上法人と呼ばれていますが、納税額が発生した
企業のことを云います。今期が黒字であっても繰越欠損がある法人は含まれません。
したがって単年度黒字企業はもっと多いと考えられます。
2.平成24(2012)年度の申告法人件数
では、平成24年度で申告書を提出した法人企業数はどのくらいあったのでしょうか?
会社標本調査では 2,525,984法人 となっています。
この件数は前年に比べて 45,000社 も減りました。
これだけ、前年と比べて減少したのも、戦後初めてのことです。
なお、法人件数の最盛期は平成21(2009)年度の 2,610,709法人 です。
この3年間で 85,000法人 が減少したことになります。
3.今後の見通し
ここ数年の会社標本調査をみる限りハッキリしてきたことは、優勝劣敗傾向が明確に
なってきたということです。大企業であれ中小企業であれ、伸びる会社は伸びるし、
ダメな会社は退場を余儀なくされるということです。
このことは第二次安倍政権の成長戦略をみてもハッキリしています。
第3の矢である『日本再興戦略(JAPAN is BACK)』では、黒字企業を倍増140万社
にし、かつ開業率も倍増10%とすることが目標として掲げられています。
そしてこの根底にあるのが、もはや戦後70年を向かえ、企業の新陳代謝を促すという
ことです。
したがって私たちもそのことを念頭において経営の舵取りをしなくてはなりません。
4.新経営の3種の神器
そこで企業マネジメントにおける重要なものは何でしょうか?
個別的にはいろいろなものが挙げられるのでしょうが、共通事項として、次の3点が
重要です。
(1) 会計
一つはいうまでもなく、“会計”です。この変化が激しい経営環境の中で、会計なく
して経営を行なうということは、天候が悪い中を海図をなくして航海に出るような
ものです。
もちろん、海図という会計をもつだけでなく、生かせる能力、会計識字力が重要な
ことなのは、いうまでもありません。
(2) マーケティング
次にマーケティングです。マーケティングをいうとあたかも大会社が取扱うもので、
中小には関係がないと思われている経営者も多いようですが、それは大きな誤解で
す。中小会社ほど経営に工夫が必要であり、それがマーケティングなのです。
ぜひ、経営判断にマーケティング思考を取り入れましょう。
(3) IT
インターネットと理解されても結構です。ホームページなどウェブと理解されても
結構です。あるいはパソコンによる情報化と理解されても結構です。
それらすべての意味を含んで“IT”という言葉で表現をするならば、ITは業務の
効率化と世界へ通じるツールです。
ITはいまやICTといわれ、コミュニケーションのCがあいだに入っています。
つまり、いまのお客様だけに限らず、未来のお客様、世界のお客様と意思疎通を
するツールです。もっと重要視しましょう。
インプルーブ研究所では、会計、マーケティング、ITをワンストップで、かつ
パフォーマンスの高いコストで支援しています。