184.競争優位に立つ 戦略キャンパス

2014年9月2日

第16回 中小零細企業にとっての「ブルー・オーシャン戦略」とは(2)

ブルー・オーシャン戦略というと、何か、大企業の経営戦略だと思われているかもわかりませんが、そんなことはありません。
大きなブルー・オーシャンじゃないかもわかりませんが、私たちにも、昨日とは違うブルー・オーシャンはあります。
今回は、ブルー・オーシャン戦略の具体的なツールを紹介し、私たちにとってのブルー・オーシャン戦略に迫りたいと思います。

 

まず、新しい市場の探り方、「戦略キャンパス」と呼ばれている考え方を紹介します。
戦略キャンパスとは、直訳風に説明すれば、ブルー・オーシャン戦略を構築する校庭です。

下図のように、横軸に新たな価値要素を取り、縦軸に魅力度を取ります。
各価値要素の点を結び合わせた折れ線が、他社と異なる場合は、新たな市場を創造できる可能性が高いことを示しています。

戦略キャンパスワーキングシート

左図を見てください。このような戦略キャンパスシートを作り、ブルーオシャンを確認します。
たとえば、会計事務所を例に考えてみましょう・・。
皆さんから見れば会計事務所なんてどこも同じで、決算を組み、申告をしてくれるだけと見えているのかもわかりません。会計事務所業界としてはそこに大きな問題があり、一部の会計事務所では「低料金化」を打ち出し、血みどろの戦い、ブルー・オーシャンとは真逆のレッド・オーシャンで戦いを挑んでいる状況です。

会計事務所にブルー・オーシャンはないのでしょうか?そんなことはありません。いま7割を超える中小企業が赤字で苦しんでいる現状を踏まえれば、業績改善指導をコンセプトに考えれば、下図のような戦略キャンパスが考えらます。

 

《会計事務所「戦略キャンパス」の例》

 会計事務所の戦略キャンパス

 

理論どおりに手順を踏むとか、そんなことはあまり重要ではありません。
大事なことは「当社も業界の慣習やこれまでの経験に囚われず、新しい発想で、他がやっていないことをやってみる」という
マインドです。私たちは想像以上に、思い込みの中で活動しており、他と違うことをやることを避け、同じような思考の中で、
同じようなことをやり続け、挙句の果ては、低価格化か、高コストをかけてコスト回収をできないか、という悪循環の中にい
ます。 ぜひ、ブルー・オーシャンマインドで競争のない、オンリーワンの世界を目指しましょう。