188.競争優位に立つ ランチェスター戦略
2014年9月29日
第20回 中小企業にとってのランチェスター戦略(1)
『ランチェスター戦略』といえば、一度は耳にした方も多いかと思います。
マーケティングの経営戦略論の多くは欧米生まれですが、このランチェスター戦略はなんと、日本生まれ!です。
ここではその理論的な背景は省略して、ランチェスター理論が言わんとしていることだけをご紹介します。
◆ランチェスター理論が教えてくれること
1.数の多い企業が断然有利であること
少し、私たち中小企業にとって悲しい結論ではありますが、直視する必要があります。
モノもカネもヒトも少ない私たちは、そもそも“不利”な状態なのです。
だからこそ、われわれには「知恵を働かして活動する」必要があるのです。
ここからも、もう勘や経験だけに頼った経営ではいけないことを学ぶことができます。
モノ・カネ・ヒトが少ないからこそ、知恵=思い込みの打破と創意工夫とスピードをもった経営が重要なのです。
そこで、ランチェスター戦略では、次のように言っています。
>>>>数が少ない企業には、局地戦・接近戦・一騎打ちが基本戦略となる!
2.強い企業とはシェア・ナンバーワンの企業をいう
強い企業とは、売上ナンバーワンではなく、占有率ナンバーワン企業であるといっています。
それ以外はすべて「弱者の企業」です。
では、強い企業はそれぞれの業界でたった1社だけなのか?といえば、そうではありません。
そこで、ランチェスター戦略では、次のようなことを勧めています。
>>>>地元・分野・客層などなど、小さな分野でよいから自社のナンバーワンをつくろう!
3.ナンバーワン企業以外の基本戦略とは
ナンバーワン以外の企業、ランチェスターでは『弱者』と呼んでいますが、弱者の基本戦略は「 差 別 化 」です。
差別化とは、狭い地域で(局地)、お客様と接触し(接近)、競合店は絞り(一騎打ち)、これだけはいうものを作り(一点集中)、
お客様の声で勝負(陽動)!というようイメージです。
そこで、ランチェスター戦略では、次のように言っています。
>>>>弱者の基本戦略は差別化戦略!
市場戦略は局地、顧客戦略は接近、競合戦略は一対一、思考戦略は一点集中、コミュニケーションは陽動
4.なぜ、シェア・ナンバーワンが重要なのか
現在はいうまでもなく、(日本国内だけですが)「低成長・市場縮小」の時代です。
したがって、私たち中小企業は、小さな何かで、NO.1でないとその存在価値をお客様に示すことができません。
そして、そのナンバーワンになるには原理原則があるのです。それがランチェスター戦略なんです。
それが、いま、再び、ランチェスター戦略が注目されて来てる理由です。
いかがでしょうか、あなたの会社には『ナンバーワン』がありますか?
あれば、それを強みに差別化しましょう。差別化は、局地・接近・一対一・一点集中・陽動がポイントです。
ナンバーワンがなければ、作る努力をしましょう。その努力があなたの会社にとって尊い活動となると思います。