190.競争優位に立つ 競争戦略(1)

2014年10月16日

第22回 ポーターの基本競争戦略(1)

現在は私たち中小企業も含めて、世界の中で企業競争を考えなくてはならない時代です。
日本の製造業は海外へ進出し、国内は空洞化し、中小製造企業の仕事もどんどん海外へ流出しています。
また安価な海外企業製品が国内に流入し、日本の中小企業を圧迫しています。
さらに国内は成熟社会化し、国内市場経済の成長は鈍化、停滞化しています。
現在は国内企業との競争に加え、海外企業との競争にも勝つことが、中小企業の生存条件となっています。

 

そんな中で注目を浴びている経営戦略が『ポーターの基本競争戦略』です。
第22回の今回は、その『基本競争戦略』の考え方をご紹介します。

 

1.ポーターの基本競争戦略とは
ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が「競争の戦略」という著書の中で提唱した経営戦略です。
『基本競争戦略』は『ファイブフォースモデル』『3つの基本戦略』から成ります。
ファイブフォースモデルについては、No.179で説明しましたので、No.179を参照してください。
今回は、3つの基本戦略について、ご説明します。

 

2.3つの基本戦略とは
競争優位を築くには、下図ようのように考えられます。

基本競争戦略 競争優位の条件として ①低コスト 差別化 の2つ
 対象市場として    ①広域   ②狭小  に分けると
 マトリックスができます。
 ポーターはそれぞれに名前をつけ、
 一つは コストリーダーシップ戦略
 一つは 差別化戦略
 一つは 集中戦略         と命名しました。
企業が競争優位を築くには、基本的にこの3つしかないと看破
しました。

そこでこのような考え方を『基本競争戦略』といいます。
詳しくは次回に説明します。

こういう戦略論に基づいて自社の経営戦略を考える利点は、自社のスタンスが明確になり、揺るぎのない経営方針が立てられることです。当然のことながら周囲も理解しやすくなりますので、全員の意思統一が図れることになります。ぜひ、戦略論に基づいて経営されることをお勧めいたします。