194.競争優位に立つ STPと4P4C
2014年11月9日
第26回 STPと4P・4C(3)
今回は、4Pと4Cについて説明します。
4Pとはプロダクト・プライス・プレイス・プロモーションの4つのことを表します。いわゆる供給側の企業からの視点です。
4Cとはカスタマーバリュー・コスト・コンビニエンス・コミュニケーションの4つのことを表し、需要側の顧客からの視点です。
それぞれは対の関係になります。
1.プロダクトとカスタマーバリュー
プロダクトとは、企業の製品・商品あるいはサービスや業務のことであり、絞り込んだ顧客を念頭に置いて、機能、品質、デザイン、提案の仕方、見せ方、ブランド、保守・アフターサービスなどを考えることです。
一方、カスタマーバリューとは、今度は顧客の立場にたって、それらが本当に顧客にとって魅力あるものか、振り返ることをいいます。
意外と想いが一方的であったりすることに気づかされますが、最も多いのがそんなことをまったく考えたことがないことです。
そこに大きな差別化をつける隙があります。例えば小売業の場合であれば、品揃えや陳列、あるいは見せ方や雰囲気、説明の仕方などによって、他店と大きな差をつけることができます。
2.プライスとコスト
プライスとは、文字どおり販売価格のことですが、これも支払条件や決済方法あるいは割引方法などを組み合わせることによって大きな差別化が可能です。またNo.185でご紹介した『4つの行動』で、少々低価格に設定しても利益を出す方法はあるはずです。
一方、顧客にとって、それは費用・コストとなります。その価格設定あるいは割引条件は魅力的か、顧客の立場に立って振り返る必要があります。
どうでしょうか、そこまでプライスに関して考えていますか?
3.プレイスとコンビニエンス
プレイスとは、流通経路と理解して良いかと思いますが、販売チャネルであったり、納品方法であったり、立地条件、在庫などです。また最近はインターネット販売が重要です。
これを顧客の立場から見れば、コンビニエンス・利便性となります。欲しいものがある、すぐ来る、都合の良い場所にある、何時でも買えるなどです。欲しいものがある、すぐ来るは品揃えや在庫の問題と関係があります。さらに“すぐ来る”とは、行けばある、あるいはすぐに来るということが基本ではありますが、重要なことは顧客の『期待時間内に届く』ということです。ですから期待時間を延ばせれば、必ずしも“すぐ・いま”とは限りません。また立地条件もインターネットで考えれば、必ずしも便利なところにあるという必要性は低くなっています。
いま、プレイスとコンビニエンスは技術革新のおかげですごく変化をしています。その変化にお気づきですか?
4.プロモーションとコミュニケーション
プロモーションとは、販売促進と訳され、供給者側からの顧客に対する働きかけです。方法として広告・チラシ、店頭チラシ、ダイレクトメール、口コミ、そしてインターネット広告などが考えられます。しかし、その内容は実に一方通行的な内容が多く見られます。したがって顧客には通じていないことが散見されます。
それを顧客の立場からみれば、コミュニケーションとなり、意思伝達ということです。ところがありきたりなメッセージが多く、お客さまにはまったく通じていないということが散見されます。その際たるものがホームページです。中小企業ではホームページを開設していないところも未だ多くありますが、もうホームページは、事業にとって常識です。ホームページがないのは論外だと思ってください。しかしまた、ひどいホームページが多いのも実情です。皆さんも感じたことはありませんか・・?マイナスイメージのホームページや、見たいところが見つからないホームページ(行政関係のホームページに特に多い、如何に行政が住民サービスに感心がないかよくわかります)、見たいページはわかったけれどありきたりの抽象的なことだけしか書いていないホームページなどです。
いま、独りよがりのプロモーションではなく、コミュニケーション的なプロモーション、あなたに語りかけるオンリーユープロモーションが重要です。考えましょう・・。