211.会計は会社を良くできる-1

2015年3月8日

会計の力あるいは会計の効用って、会社経営にとってどのくらいあるのでしょうか。
今回からはしばらくコラム風でこのテーマを考えて行きたいと思います。

 

第1回 あなたの会社は、何の目的で経理をされていますか? 

これまで多くの企業経営者と会ってきましたが、事業を堅実に成長させている企業には共通項がありました。
それはいい加減な経理をしない。でたらめな経理をしないということです。

 

なぜ、それが事業を堅実に成長させていることと関係があるのでしょうか。
 「いい加減な経理をしない」ということは、だらしない仕事をしないということに通じます。
 「でたらめな経理をしない」ということは、辻褄合わせのその場限りの無責任な仕事をしないということに通じます。

さらにそれにはオマケがついてきます。それは会社の状況が掴めるということです。
 クルマでいえば、エンジンやブレーキ、ミッションなどの状況がわかり、気になるところがあれば、すぐに点検・修理をすることができます。またスピードメーターや距離計で、このペースで予定時間に目的地に着けるかどうか、ガソリンは足りるかどうか、燃費などもわかります。

 

会計もいい加減な経理、でたらめな経理をしなければ、ご自分の会社に対して、同じ役割・機能を発揮させます。

1.B/Sの総資産をみることによって、会社の財産の状況がわかります
 この手元流動資金で運転資金は足りるのか?
 この売上債権は売上と比べて多すぎないか、回収は滞っていないか?
 在庫は販売状況に応じて適正か?
 設備は効率的に利用できているか、投資資金に問題はないか?

2.B/Sの総資本をみることによって、会社の資金状況がわかります
 買入債務の返済は十分できる余裕があるか?
 銀行借入れの返済は十分できるか?
 銀行借入れの額は多すぎないか、また借入枠に余裕はあるか?
 これまでの事業に成功してきたか?
 自己資本の割合は十分か?
 

3.P/Lの損益によって、会社の営業の状況がわかります
 売上高の状況とこれからの見込み
 売上総利益の動向と改善策
 営業利益の動向と改善策
 人件費の配分状況と動向
 支払金利の状況

 

これらを決算・申告を目的に経理をされているだけだったら、わかりません。
いきなり決算書ができてきて、「これはこうだった」という“過去の情報”として提供となってしまいます。
だからあまり決算書を見ないということになります。 思い当たる節はありませんか?

 

それを「いまどうなっているのか」という”現在情報”を得るには、月次試算表が重要になります。
月次試算表をタイムリーに得るには、経理をデイリーにすることと、自社で会計処理を行なう“自計化”をするしかありません。
それが冒頭に申し上げた 「いい加減な経理をしない」ということになります。

さらに決算目的で経理を位置づけると、経理は後回しになりますから、どうしてもツジツマ合わせの経理になってしまいます。
そのため、過度な決算調整になってしまい、場合によっては原型を止めないような厚化粧(一般的にはそれを粉飾決算といいます)になってしまいます。それが二つめに申し上げた「でたらめな経理」ということになります。 

 

 

インプルーブ研究所は、会計・経理をそのように活かせるように、貴社をまじめに支援します。