219.経営技術「ビジョナリー理論」

2015年6月20日

■ぶれない経営 -経営理念『基本的価値観』の重要性-

昨今の国税庁の調査では利益計上法人割合が3年連続改善し30%を超えたそうです。
また申告法人件数もこの10年間で最高の前年比2。4%増加し約260万社となりました。
さらに倒産企業件数も減少しています‥。

一見、アベノミクスが成功しているように見えますが、他方、倒産企業に占める中小企業の割合は増加の一途で7割を超え、
私たちにとっては依然と厳しい経営環境が続いています。

「経営技術」の第一回目はそんな状況に対し大きな示唆を与えてくれる100年企業ビジョナリー・カンパニー(未来志向企業・先見的企業)に学ぶ「十二の崩れた神話」をご紹介します。
貴社に参考になることが必ずあると思いますので「自社であれば‥」とカスタマイズしてお読みください。

 

■十二の崩れた神話

1.すばらしい会社をはじめるには、すばらしいアイデアが必要である。
  素晴らしいアイデアを持って短期的な成功を勝ち取ることも大切ですが、より重要なのは長距離レースで勝つことです。
  その意味では素晴らしいアイデアというのはあまり重要ではなく、もっと重要なことがあるということでしょうか。

2.ビジョナリー・カンパニーにはビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者が必要である。
  カリスマ的な指導者になるよりも長く続く組織をつくる指導者をめざすべきだということでしょうか。

3.特に成功している企業は、利益の追求を最大の目的としている。
  利益追求は事業にとって重要な目標だが、それは一つの目標に過ぎず、カネ儲けを超えた基本的価値観の追求がもっとも重要な
  目標であるということでしょうか。

4.ビジョナリー・カンパニーには共通した正しい基本的価値観がある。
  企業に共通する正解の基本的価値観や理念はなく、何よりも大切なことは何かを突き詰めることであるということでしょうか。

5.変わらない点は変わり続けることだけである。
  変わってはいけないものもある。それは基本理念をしっかり維持することであり、維持しようとすることが組織に変化を与え
  環境に適応できる組織にさせるということでしょうか。

6.優良企業は危険を冒さない。
  実現可能な目標では「ああ、またやってるな」となるが、社運を賭けるような大胆な目標(BHAG)にチャレンジするからこそ
  人を引きつけ、やる気にさせるということでしょうか。

7.ビジョナリー・カンパニーは誰にとってもすばらしい職場である。
  会社の基本理念とぴったりと合う人にとっては居心地のいい職場だが、そうでない人にとっては必ずしもそうではない、
  人に流されず理念を守りきるということでしょうか。

8.大きく成功している企業は綿密で複雑な戦略を立てて最善の動きをとる。
  考えることばかりやっていないでともかくやってみる。その結果から最善のものが生まれてくるということでしょうか。

9.根本的な変化を促すためには社外からCEOを迎えるべきだ。
  根本的な変化と斬新なアイデアは社内からこそもたらせる、だからこそ人材育成が大切だということでしょうか。

10.もっとも成功している企業は競争に勝つことを第一に考えている。
  競争すべきは他社ではなく自社自身であり、つねに自らに勝つこと考え続ける。十分だとは考えないから改善され続けられると
  いうことでしょうか。

11.二つの相反することは同時に獲得することはできない。
  どちらかをやる二者択一ではなく、同時に追求できる(ANDの才能)という考え方をするということでしょうか。

12.ビジョナリー・カンパニーになるには主に経営者が先見的な発言をしているからだ。
  そのような発言やあるいは書にしたためたりすることは一歩にはなり得ますが、それよりも試行錯誤することを大切にする
  ということでしょうか。

 

いかがでしょうか、得るものがありましたでしょうか。常にピュアな心でいたいものです。