225.緊急コラム マイナンバー問題
2015年8月5日
マイナンバーに関する緊急コラムの最後に、中小・小規模事業におけるマイナンバーの問題点を考えてみます。
■マイナンバーの収集はタイヘン‥か?!
マイナンバーは住民票に基づいて通知されますから、企業としては従業員のマイナンバーを集めるのに大変になる。だから早くから着手しなければならないという、まことしやかな話を聞かれたことはありませんか? 本当にそうなんでしょうか‥。
私たち中小・小規模事業者には従業員はいったい何名いるのでしょうか? 多くの場合は10名以下と思われます。
マイナンバーの活用が実際に始まるのは来年1月からですから、通知開始が始まってから3ヵ月もあります。3ヶ月間で10名程度のマイナンバーを収集することが大変だと思いますか。たとえ従業員の中に居住地と住民票が別の人がいたとしても、3ヵ月も期間があるわけですから、たいがいは十分集めることができます。
そもそも収集が大変といわれている理由は、グループで約25万人いるといわれているNTT、社員も多く契約者も数万人いる保険会社、あるいは従業員の半分以上が学生アルバイトなどの大手飲食会社やファストフード会社などを想定した場合の話です。いずれにせよ、大会社やせいぜい中堅企業までです。 ヘンな煽りに乗る必要はないと思います。
■セキュリティや管理はしっかりやらないとタイヘン‥か?!
確かに、マイナンバーはこれまでの免許証番号や口座番号などとは違い、ゆくゆくは社会保障や税など複数の機関に存在する個人の情報を「串刺し」にするための番号ですから、より厳重に管理しなければならないものではあります。そのことはよく理解しておくべきことだと思います。
しかしそれだからといって、盗み見されないように対応をするとか、特別なセキュリティ下に置かなければならないものではありません。中小・小規模事業者の場合、誰が盗み見するのでしょうか。また数名程度のマイナンバーを誰が盗むのでしょうか。
要はマイナンバーの重要性を認識し、それなりにしっかり管理すればいいだけのものです。 ヘンな煽りに乗って過度な対応をする必要はありません。
■マイナンバーに対する規程ソフトや教育をしなければタイヘン‥か?!
さもマイナンバーは罰則規定などもあるので(?)、しっかり管理しなければ大変なことになるような言質が流布していますが、本当でしょうか。
確かに本来はそうすべきものなのかもしれません。しかしたとえば、中小・小規模事業で就業規則などの労働規則上定められている管理規程等を定めている企業はどれほどあるのでしょうか。ですからあるに越したことはないと思いますが、何も慌てて用意することはないと思われます。 多くの場合はそれらツールを販売するが為のセールストークと理解したされたほうがいいと思います。
その他にもいろいろいわれていることがあろうかと思われますが、多くの場合は便乗商法と考えてよいのではないのでしょうか。
一般的に流れている「マイナンバー対策」に対して、否定的なように感じられたかもわかりませんが、申し上げたいことは「冷静に考えましょう」ということです。
しかしそのような中でも、マイナンバー対策かどうかはともかく、認識をあらためておくべきこともあります。
それはインターネットに対するセキュリティ対策です。
インターネットは私たちが想像している以上に危険な状況にあります。
誘拐犯も含めサイバー攻撃やスパムメールなどがあちこち私たちに近寄っています。
・セキュリティソフトはパソコンに常駐させる
・覚えのないメールは開かない
・誘惑サイトはクリックしない
・仕事で使用するUSBメモリなどは他人のパソコンに接続しない など
これらの対策・注意はマイナンバーのことは別にして、すべき対応だと思います。