240.会計学-6「会計基準」
2015年12月21日
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『会計学』第6回は会計基準について解説します。
Ⅵ 会計基準
1 会計基準の必要性
「会計基準」はなぜ必要なのか、それは恣意的な利益操作を行わないために必要だと考えられます。
ともすれば、私たちはそのときに都合のよい会計処理をしがちになります。
しかしそれだと、その時々で「基準」がさまざまなものとなりますので、正確な期間比較ができません。
このことは管理会計にとって致命傷となってしまいます。常に正確な比較をするためにも『会計基準』は必要となります。
2 相反する動機
このことをもう少し専門的にみると、企業には「利益捻出の動機」と「利益圧縮の動機」という、相反する動機があると云われています。
(1)利益捻出の動機
利益捻出の動機とは、企業活動に必要な資金の調達を容易にするために働きます。
また、経営者が株主総会で株主から支持を取り付けるためや報酬増加のためにも働くと言われています。
さらには部門責任者が何とか自分の職責を良く見せるために働く場合があります。
中小企業の場合には、特に金融機関に対して必要な資金調達を容易にするために「利益捻出の動機」が働くとも云われています。
(2)利益圧縮の動機
利益圧出の動機とは、主に税金を節約するために働きます。
また、利害関係者との交渉や取引を有利にするためにも働くと云われています。
このような恣意的な動機を抑制するためにも会計基準は重要であり、粉飾や不正経理防止にもつながります。
3 会計基準の設定
一般的な会計基準として「企業会計原則」があります。
企業会計原則は1949年に制定された日本で最初の本格的な会計基準であり、企業会計審議会が管轄します。
4 企業会計原則の7つ一般原則
(1)真実性の原則
企業会計は企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならないという原則です。
(2)正規の簿記の原則
企業会計はすべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならないという原則です。
(3)資本と利益の区別の原則
資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金(追加出資等)と利益剰余金(損益利益)とを混同してはならないという原則です。
(4)明瞭性の原則
企業会計は財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならないという原則です。
(5)継続性の原則
企業会計はその処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならないという原則です。
(6)保守主義の原則
企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて健全な会計処理をしなければならないという原則です。
(7)単一性の原則
株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のためなど種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならないという原則です。
※そのほかに独立した原則にはなっていませんが、「重要性の原則」があります。
今回のキーワード
会計基準
利益捻出の動機
利益圧縮の動機
企業会計基準
7つの一般原則