248.会計学-14「自己資本の充実」
2016年2月6日
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『会計学』第14回は自己資本の充実についてです。
ⅩⅣ 自己資本の充実
1 資本金と資本剰余金
自己資本の充実について考える前に、自己資本の元手である「払込資本」の資本金と資本剰余金について確認しましょう。
(1) 発行可能株式数と資本金
①発行可能株式数とは、発行できる株式数のことです。会社定款に定められていますので確認してみてください。
実際の発行株式数は、発行可能株式数の4分の1以上を発行すればよいとされています。
※以前は額面5万円、最低資本金1000万円と決まっていましたが、2001年10月から最低発行価額の規制が
廃止され、2006年5月からは最低基本金の規制も廃止されました。
②資本金は、株式額面を発行済み株式数で掛け合わせた金額になります。
額面5万円の株式を100株発行されているのであれば、資本金は500万円となります。
(2) 資本剰余金
いま「額面5万円で株式を100株発行しているのであれば資本金は500万円」と説明しましたが、会社法によって
発行価額の2分の1までは資本金としないことが許されています。
その資本金としない部分が資本剰余金である「資本準備金」となります。
資本準備金とする利点は、会社設立や増資の時の登録免許税がやすくなるとか、資本金の額によっては常勤監査役を置くことが強制されないとか、またあるいは法人税の税率軽減や均等割金額、設立時の消費税免税などがあります。
しかし、1000万円未満であれば、資本の払込をした以上、全額を資本金とすると考えてよいと思います。
※資本金の節目は、1000万円、3000万円、1億円です。
資本金は多くなれば、その規模に応じて課される負担は大きくなります。覚えておかれると良いかもわかりません。
(3) 増資
発行可能株式数の範囲であれば増資が可能です。
先ほども説明したとおり、2分の1までは資本金に組み入れないことも可能です。
また企業合併する処理方法には、持分プーリング法と呼ばれる「対等合併」とパーチェス法と呼ばれる「吸収合併」が
あります。
(4) その他資本剰余金
その他の資本剰余金としては、最近、シャープで話題となった「減資」があります。
減資の際に生じた差額は、資本剰余金ワクの中の「減資差益」や「自己株式処分差益」に表示します。
2 留保利益(稼得資本)とその配分
(1) 剰余金の配当と処分
配当する場合は、会社法でその10分の1を「利益準備金」として積立てることを要求しています。
この積立は、利益準備金と資本準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで続けなければならないとされています。
この利益準備金と資本準備金を併せて「法定準備金」と呼びます。任意のものは「任意積立金」と呼びます。
(2) 会社法の配当制限
配当することはいつでも何度でも可能ですが、会社法では「分配可能額」として法定し、それを超える分配を禁止しています。
今回のキーワード
発行可能株式数と発行済み株式数
節目の資本金 1000万円、3000万円、1億円
純資産⇒株主資本⇒払込資本⇒資本金
資本剰余金⇒資本準備金
純資産⇒株主資本⇒留保利益⇒利益剰余金⇒繰越利益剰余金