290.2017年を堅実に経営する
2016年12月20日
さて、2016年も終わりに近づき、2017年(平成29年)が近くなってきました。
2017年は米国トランプ大統領の就任やEUにおけるイタリア、オーストリアの動き、フランス大統領の交代など、
先行き不透明感満載の1年となりそうです。
そこで、そのような状況においても堅実に事業を経営していくことが、私たち中小企業経営者には求められてきます。
そこで今回は、そんな状況下でも堅実に経営を行っていく方法を考えたいと思います。
その方法とは次の4点です。
1.市場分析を行う
2.市場分析に基づいた経営計画を立てる
3.会計で数値管理を行う
4.PDCAマネジメントを実行する
今回は2017年度を迎えるにあたり、その要点をかんたんにご紹介します。
1.市場分析を行う
スウォット(SWOT)分析 又は ペスト(PEST)分析という手法を用いて、自社を取り巻く経営環境を1年に1回くらいは
考えてみましょう。
◆SWOT分析とは・・
自社の内部を 強み(Strength) と 弱み(Weakness) に分けて振り返ります。
さらに外部環境については 機会(Opportunity) と 脅威(Threat) に分けて考えてみます。
そして自社にとって機会となる外部環境で自社の強みを活かせることを最優先の戦略として考えます。
◆PEST分析とは・・
自社を取り巻く環境を 法律改正などの政治的要因(Politics)
景気動向などの経済的要因(Economics)
人口動態などの社会的要因(Society)
AIなどの技術的要因(Tecnology)
の4側面からとらえて戦略を考えます。
あまり難しくは考えずに、これらの手法で自社の環境や市場を捉えなおしてみられると、きっと新しい発想が湧いてくると
思います。 それが大事なことです。
新年を迎えるにあたり、ぜひとも考えてみてください。 きっとすがすがしいお正月が迎えられると思います。
2.経営計画を立てる
戦略を明確にして、数値計画とそれを達成するための活動計画(戦術)を立てます。
数値計画は売上から考えるのではなく、下から考えるのがおススメです。
下からとは、必要利益です。必要利益から考えてみてください。
必要利益は、残したい利益と年間借入返済額、それに予想納税額を合計すれば、かんたんに計算できます。
その必要利益に予定人件費とその他経費を加え、目標とする粗利益率で割れば、売上目標値が計算できます。
かんたんですから、ぜひ、チャレンジしてみてください。
併せて、その数値計画を達成するための活動計画を立てます。
どうやってその数値計画を達成するのか、考えてみると意外と楽しいものです。
3.会計で数値管理を行う
決算や申告のための会計、経理ではなく、経営のための会計、経理を志向しましょう。
詳しくは税理士に聞いてみられると良いと思います。
ともかく、税務会計や財務会計ではダメです。管理会計といわれるものにチャレンジましょう。
その基本は明細管理をするということです。
たとえば、売上高や売掛金は得意先に管理します。水道光熱費であれば、水道、電気、ガスに分けて管理ます。
全ての科目について内訳があるものは、すべて明細管理をします。
明細を閉じれば、財務会計になります。
まずやってください、驚くほど自社のことがわかるようになり、会計もわかりやすいものとなります。
さらにもう一つ・・
あなたの会計識字力を磨くということです。
会計識字力とは、会計を経営に活かせる力のことをいいます。
これも税理士にぶつけてみてください。応えてくれると思います。
会計は経営にとって、最大のディフェンスであり、オフェンス(攻め)の財力も提示してくれます。
「決算・申告のための会計」という古い概念は捨て去りましょう。
4.PDCAでマネジメントを行う
Planとは、計画です。 計画は道筋を示す指針ではありますが、絵に描いた餅です。
Do、実行して、初めて計画は生きたものとなります。
しかし、やりっぱなしではいけません。後片付けをしましょう。
それがCheck、検証です。計画と実行状況を比べます。 そしてその差異を探ります。
最後にAction、計画との差を縮めるための軌道修正策です。
これを渦まきの如く、繰り返して行います。
慣れていない最初の頃は、1週間に1度はC&Aを行います。
最低でも月に1度は,PDCAを回していきます。
私たちの経営ではいろいろな問題があります。それは皆さん自身が思われている通りだと思います。
それはその通りなのですが、かといって、何もしなければ何も変わりません。
チェンジとか、変革といえばたいそうに聞こえますが、要はそこで何をするのか、何もしないのかです。
何もしなければ、言ったようにも何も変わりません。
何かやれば、それでも何も変わらないかもしれないけれど、ひょっとしたら変わるかもしれません。
もし変わらなければ、また何かをやればいいだけのことです。
来年が皆さまにとりまして良い1年になりますように・・!