292.2016年の結果と17年の予想

2017年1月4日

2016年も終わり、2017年が始まりました。

2017年最初の経営コラム「インプルリポート」は財界経営者の2016年の予想と結果、そして新年度2017年の予想です。

日本経済新聞1月1日付特集から振り返ってみます。

 

1.主要企業経営者20人が占った2016年の「景気」予想と結果

(1)経済成長、国内総生産(GDP)

 ■2016年の予想平均伸び率 1.5%

  16年度の景気予想はアベノミクスによる好循環の継続などを背景に、緩やかな回復軌道に戻ると予想した経営者が多かった

  との報道でした。20人の経営者はそれぞれ1.0~1.7%を予想されていました。

  それに対して結果はどうだったでしょうか。

 ■2016年の結果      1.3%

  最終値はまだ発表されていませんが、2016年9月期で1.1%、どうやら下限値に近い実績で終わったようです。

 ■2017年の予想平均伸び率 1.0%

  「緩やかな回復基調が続く」としながらも、昨年よりも全般的に弱気の見通しとなっています。

  これは米国大統領の交代やEUオランダ総選挙、フランス大統領選挙、ドイツ議会選挙などの先行き不安定予想の影響かと

  思われますが、オリンピックを3年後に控えていることを考えれば、もう少し強気の予想であってもよいと思うのですが、

  皆さんはどのようにお考えになりますか。

  ちなみに20人の経営者のそれぞれの予想も0.5~1.5%と昨年より下振れとなっています。

 

(2)アメリカ・中国の経済成長率

 ■2016年の予想

  アメリカ経済の伸び率  2.5~2.9%

  中国経済の伸び率    5.8~6.8%

 ■2016年の結果(暫定値)

  アメリカ経済の伸び率  1.6%

  中国経済の伸び率    6.6%

 ■2017年の予想

  アメリカ経済の伸び率  1.9~3.0%

  中国経済の伸び率    6.0~7.0%

  同じモノサシで判断することはできませんが、こうしてみるとやっぱりまだまだ中国経済の強さが光ります。

 

(3)円相場

 ■2016年の予想

  115円~130円

 ■2016年の結果

  117.10円

 ■2017年の予想

  100円~125円

  トランプ大統領の当選以来、円は下がり続けていますが、果たして円安は追い風なのでしょうか。

  自国の通貨はやはり、原則、強くなくてはいけないと思うのですが。

 

(4)株価12月値

 ■2016年の予想

  21000円~24000円

 ■2016年の結果

  19114円

 ■2017年の予想

  19000円~25000円

  株価も円安のおかげで海外投資家の買いが増え、最終的には2万円近くとなりましたが、それでも財界予想の下限値には

  届きませんでした。

  17年も財界人の自信のなさの表れか、保守的な性向の表れか、幅が広がっただけでそれほど株価予想は上がっていません。

  また最近は海外機関投資家の売買が増えてきたため、株価が景気動向を反映しなくなってきたことも大きな特徴です。

 

 

  さて、2017年がどのような1年となるかについては誰しも知りたいところですが、

  こと事業に関しては、それは経営者自身が導くということです。
  経営者としてリーダーシップを発揮して、起こりうるさまざまな環境に適応して、事業を発展させていきましょう。