294.簿記の基本 償却の仕訳
2017年1月15日
第2回 簿記の基本「減価償却の仕訳」を知ろう
1.減価償却とは
①減価償却とは、ご存知のとおり、建物や車両・機械などの固定資産を費用化する会計処理です。
②土地を除く固定資産は使用するに連れて価値が減少していくわけですが、その分を費用として計上します。
③その費用化の計算方法には「定額法」と「定率法」とがありますが、マネジメント上、理解しやすい方法は定額法です。
④なので、普通は定額法でよいと思います。
※専門家は税額の関係と自分の立場上からいろいろ細かい説明をすると思いますが・・。
2.減価償却の仕訳
-1.月次の仕訳
①月々の損益をある程度正しく把握するためには減価償却を毎月概算計上する必要があります。 これが要所です。
②そのために毎月「減価償却累計額」という科目を利用します。
③減価償却費という科目は、製造原価と販売費及び一般管理費両方にありますから、
製造にかかわる固定資産の減価償却費は、「(製造原価の)減価償却費」を
それ以外の固定資産の減価償却費は「(販売費及び一般管理費の)減価償却費」を使います。
④ここで前回の「簿記の基本の基本」を思い出してください。
減価償却費は「費」とつきますから、費用の一つですから「左」に来ます。
すると「右」は減価償却累計額になります。
⑤減価償却費 月次の仕訳
製造原価の 減価償却費 / 減価償却累計額 XXXXX円
販売費及び一般管理費の 減価償却費 / 減価償却累計額 XXXXX円
これを毎月計上します。
-2.決算時の仕訳
①12ヶ月分の概算の減価償却費を一旦、ゼロクリアします。
減価償却累計額 / 製造原価の 減価償却費 XXXXX円
減価償却累計額 / 販売費及び一般管理費の 減価償却費 XXXXX円
②最終の確定した減価償却費を対象となる固定資産科目ごとに計上しなおします。
ですから、この時の相手科目(右)は減価償却累計額ではなく、それぞれの固定資産科目となります。
製造原価の 減価償却費 / 建物 XXXXX円
製造原価の 減価償却費 / 機械・装置 XXXXX円
製造原価の 減価償却費 / 車両・運搬具 XXXXX円
製造原価の 減価償却費 / 工具・器具・備品 XXXXX円
販売費及び一般管理費の 減価償却費 / 建物 XXXXX円
販売費及び一般管理費の 減価償却費 / 機械・装置 XXXXX円
販売費及び一般管理費の 減価償却費 / 車両・運搬具 XXXXX円
販売費及び一般管理費の 減価償却費 / 工具・器具・備品 XXXXX円
こうやって文章にすると難しそうにあるいは面倒臭そうに見えるかもわかりませんが、やってみるとカンタンなことです。
要は、毎月概算計上として、決算になるとその概算を取り消して、正規の減価償却費を計上するというだけのことです。
最後にこの減価償却費は計算上の費用ですから、実際には現金は支出されていません。
そのため資金的には影響しません。このことを頭に入れておきましょう。