337.会計活用のエッセンス①
2017年11月11日
第1回 経営に活かすのは試算表
1 企業経営を取り巻く現状
(1)現代は法人企業の3社に2社が赤字経営で法人税等を支払っていない
☛66%の法人企業が繰越利益である内部留保もなく、資金繰りが厳しい状況です。
(2)中小企業経営者の一番多い中心年齢は66歳
☛後継者がいないのではなく、赤字経営で厳しい資金状況の事業は継がせられないというのが実態です。
(3)これからも続く経済成長率ほぼゼロの経済状況
☛統計的には確かに高度成長期のいざなぎ景気を超える戦後2番目の長さの成長期とはなりましたが、
実態は多くの人が感じているとおり、年率1%も満たない実質経済成長率ゼロに近い経済成長です。
(4)2019年10月より消費税率が10%に引き上げ
☛現在でも消費税の未納額は4600億円を超えていると言われていますが、
10%になれば、ますます消費税を納付することができない企業が増加することが予想されます。
(5)人件費の増加
☛人出不足、働き方改革、社会保障の財源不足、最低賃金の引き上げなどの中、
従業員を引き止めるためにも中小企業も人件費を増加させざるを得ません。
(6)AI、ICTなどの技術革新
☛これまでもさまざまな技術革新はありましたが、今回は産業構造を抜本的に変革させる第四次産業革命とも
言われている、大きな津波にも例えられる技術革新です。
このような未だ嘗てなかったような経営環境の中で、
家計と同様、企業経営もやりくり上手に、会社を強くすることが求められています!
2 やりくり上手になるためには「試算表」を経営に活かす
(1)なぜ、試算表なのか?
その理由は二つあります。
①決算書は会計年度末にしか作成しない、年一の会計資料ですから、日々の経営に活かすことはできません。
②決算書は税務署や銀行などに提出する外部報告資料でもあるので、どうしても見栄えを良くしたよそ行きの会計資料に
まりますので、その意味では経営に活かすことには不適合です。
そこで、月次試算表となります。
(2)試算表の必要十分条件
ただし、試算表を経営に活かすためには、活かせるように次のように少し改良しなければなりません。
①月初には前月の試算表が出来上がるようにする。
翌月末や2~3ヵ月後に試算表が出来上がっても、すでにそれを経営に活かす期間は過ぎ去っています。
②経営に活かせる内容にする。
税務申告用の決算書と同じ並び(内容)の試算表では情報がまとまり過ぎて経営に活かすことはできません。
税務申告用の決算書より極めの細かい試算表にして経営のすべてが見えるようにする必要があります。
次回からはその具体的なエッセンスについて解説して行きます。 おたのしみに!
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