350.収益拡大の考え方③
2018年2月19日
第3回 付加価値額を増やす方法
収益拡大のために最初に取り掛かるべきは「固定費の削減」です。なぜならこれは社内努力だけで利益を増やせるからです。
これが出来ないのに、二の手・三の手は成し遂げられません。
そのうえで今回は「付加価値額を増やす方法」を紹介します。
付加価値額とは 売上単価-直接原価=付加価値額 で表わされます。したがって付加価値額を増やすには、①売上単価を上げる、②直接原価を減らす、の二通りが考えられますが、本日のテーマは前者「売上単価を上げる」です。
1 他社では出来なくて、自社なら出来る、顧客が望んでいる価値を考える
ちょっとむずかしいかもわかりませんが、一度考えてもいいことだと思いませんか。
他社では出来ない新技術・新サービスを考えるとかそんな大上段に考えるのではなく、他社なら面倒くさくてやらないサービスを自社ならするとか、そんな日常的な視点で考えると良いと思います。
一般的にはそれを「自社の強み作り」とか「自社の特徴」などといいます。それを図示すると次のようなイメージとなります。
この考え方は、マーケティング用語では『バリュープロポジション』と呼びます。
どんな商売・事業も必ず同業者はいます。それら同業者と同じこと、平均的なことをやっているだけでは付加価値は上がりません。
そのために「顧客が望んでいると思われること」を想像しましょう。それに対して同業者が一般的にしていることを考え、さらに、自社が提供できる可能性があることをすべて洗い出します。そこからお客さんが望んでいてあまり同業他社では提供していない自社なら提供できることを考えます。
重要なことは「お客さまの視点で考える」「そのニーズを絞り込む」「同業者と同じことはやらない」この3点です。
ほとんどの場合、時間と費用をかけて同じことをやりがちです。なぜなら、ほかもやっていることですから「安心感」があります。そして、そこで差をつけるために「価格競争」に陥ってしまうわけです。
これじゃ、なかなか儲かりません。だからこのように考えてみる価値は、大いにあります。
2 付加価値額をつける考え方
しかしかといって手間暇だけかけるだけでは付加価値額は増えません。そこで「取り除く」「減らす」「増やす」「つけ加える」ということを考えます。
(1)取り除く
「取り除く」とは、業界などではそういうものだと思い込んでいるが、実際には使われていない機能や期待されていないサービスを見直すということです。
(2)減らす
「減らす」とは、他社に追いつけ、追い越せと思うあまりに、製品やサービスに余計な要素を盛り込んでいないかどうかを見直すということです。
取り除くは業界の慣習的な問題点ですが、減らすは他社を意識するあまりにいつしか過剰になってしまった自社だけの問題です。
(3)増やす
「増やす」とは取り除くの反対で、業界では不要と思い込んでいるが、大胆に増やすべき要素は無いのかということです。他社と同じことをやっていたらいいと考えるのではなく、取り除いた分、違うことをつけ加えるということです。
(4)つけ加える
「つけ加える」とは一般には提供されていないが、しかしつけ加えるべき要素は無いのかを検討するということです。社内の常識は昔からの慣習でありがちです。決して、いまのユーザーニーズをすべて捉えているとはいえません。
これらを図示すると次のようなイメージです。
この考え方は、マーケティング用語では『4つのアクション』と呼ばれています。
これからの企業経営においては「付加価値の向上」がどうしても求められますが、付加価値の向上を実現しやすいのは中小零細であるスモール企業です。なぜならすぐ行動に移せるからです。この中小企業の強みを活かしてピカリと光る経営を目指しましょう。
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