356.Marketing SWOT分析
2018年3月31日
SWOT分析(スウォット分析)
『SWOT分析』とは、自社の「強み」と「弱み」、自社を取り巻く環境の「機会」と「脅威」、この4つの視点から
自社がおかれている経営環境を分析する手法だ。しかし、大切なことは分析だけで終わらせるのではなく、この分析を
活かして経営戦略を練る後半の『SWOTマトリクス』だ。
SWOTマトリクスは次の4つの戦略に展開される。
1 機会×強み ⇒「機会」を「強み」によって一層活かす戦略
2 機会×弱み ⇒「機会」で「弱み」を解消する戦略
3 脅威×強み ⇒「脅威」を「強み」で最小化する戦略
4 脅威×弱み ⇒「脅威」と「弱み」による悪影響を避ける戦略
つまり、SWOT分析とは、決して分析だけで終わらせるのではなく、その分析を活かして戦略展開する手法といえる。
*黒矢印は「戦略」の方向を示し、 赤矢印はあり得ない戦略を示す
1 SWOT分析で内部分析と外部分析をまとめる
経営環境を分析する手法としては、組織分析、経験曲線効果分析、PPM分析、ライフサイクル分析、財務分析、情報装備分析、PEST分析、5フォース分析、パレート分析など数々あるが、SWOT分析はそれらをまとめる手法として位置付けることが
できる。
つまり、さまざまな手法で分析した内容を、強み・弱み・機会・脅威に分類し、漏れることなく(MECE:ミッシー)、自社経営環境を
捉えることができる。
もちろんいきなりSWOT分析をしてもいいわけだが、なかなかあらためて経営環境を振り返る機会はそうないと思われるので、
ときにはこのように漏れることなくSWOT分析をすることもいいのではないかと思う。
2 マトリクスで戦略を考える
(1)機会を強みによって一層活かす戦略
外部のさまざまな機会を自社の強みによって活かす戦略は自社にとって第一優先の戦略だ。
大事なことは、ここの戦略は一気呵成にすばやく取り組むことだ。
(2)機会で弱みを解消する戦略
機会を弱みで解消する戦略とは、自社の弱点をビジネスチャンスで補完する戦略だ。
たとえば、飲食店でオーガニックを売りにしているためにどうしても価格設定が高めとなり、集客などに苦労している場合は、
食品安全や健康に消費者の関心が高い中、オーガニックを一般のお客様にもわかり易いように解説を試みることなどが考えられる。
(3)脅威を強みで最小化する戦略
外部環境の脅威を自社の強みで最小化する戦略とは、近く訪れるかもしれない経営危機を自社の強みを持って事前に最小化したり、あるいはピンチをチャンスとする戦略だ。
たとえば、ガソリンスタンドは石油価格の影響やさらに今後はEV化の影響を受けることは必至だと思われる。
そこで天気予報の如く、事前にガソリン価格動向予想などを消費者に提供し「安心と信頼」を得たり、EV化時代における対応を
伝えておくことなどによって、将来の安心を提供し、将来的な集客に備えておくなどの対策が考えられる。
(4)脅威と弱みによる悪影響を回避する戦略
環境の脅威と自社の弱みによる悪影響を避ける戦略とは、単純思考では撤退方法を考える戦略という発想になるが、
いまひとつはシフト戦略とも考えられる。シフト戦略とは、自社の経営資源を見直しそれを他に置き換えられないかということだ。
たとえば、カラオケ店を経営している場合、カラオケ店の経営資源を角度を変えて見れば、快適な貸室であり、防音設備であり、
マイク設備であり、軽食の提供である。
このように経営資源の見方を変えて、バラしていくと、これら経営資源を少し置き換えさえすれば事業領域をシフトしていくことが可能となる。仮にあとゲームや幼児向け音源などを加えれば、幼児向けパーティルームに変えられたり、趣味のレンタルスペースやビジネス向けのレンタルスペースなどにも転用できる。
3 大切なこと
(1)他ではやっていないことを避ける
これら戦略を発想するうえでもっとも重要なことは、「そんなことは他ではやっていないだろう!?」という疑問だ。
だからやめるのだが、実はそこに「チャンスのシーズがあるかもしれない」という考え方をする、ということだ。
他でもやっているということは確かに安心感はあるが、それでは独自性を拓けない。
戦いのない、青い海は誰もいないところにある。
(2)機会×強み
この4つの考え方の中でもっとも重要なのは「機会を強みによって一層活かす戦略」であることは、あらためて言うまでもない。
4つの戦略をすべて入念に考える必要は全くない。
しかし、「機会×強み」の戦略はじっくり考えたいところだ。
(3)あり得ない戦略
外部環境同士の「機会によって脅威を消す戦略」とか、内部環境同士の「強みによって弱みをカバーする戦略」などはない。
戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
だから違う結果を得たいと思うのであれば『思い込み』を打ち破るしかありません。
インプルーブ研究所は『思い込み』を打ち破るお手伝いをします。
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