368.マーケット戦略 ブルーオーシャン戦略

2018年6月22日

マーケット戦略 ブルーオーシャン戦略

現代は売上を増やすことが非常に難しい時代となっています・・。
いろいろなモノが溢れ、さまざまな種類も存在し、そのうえ市場は高齢少子化し、人口それ自体も減少し始めているからです。
さらに将来に対する不安感から消費は減退化しており、かつ価値感は多様化し、経済格差も顕在化し出している。
非常に複雑な社会状況です。
だから、ただ頑張るとか、まじめに働くというだけでは、思いどおりに売上高は増えなくなっています。
そこで、従来からの企業経営に「何か」を加える必要があります。
それは「経営の工夫」であり「販売の工夫」です。そのことを『経営戦略』とか『販売戦略』という仰々しい言葉で表す。
本来、経営戦略や販売戦略は身近なものです。そして、このことは中小企業や小規模企業ほど、強く求められています。
そこでこれから「マーケット戦略」というテーマのもとで、いろいろな収益拡大の考え方をご紹介し、
小さなビジネス企業の売上高拡大ヒントに供したいと思います。

 

ブルーオーシャン戦略 -競争がない市場、ブルーオーシャンを創造するー

ブルーオーシャンとは、欧州経営大学院教授のW・チャン・キム博士とレネ・モボルニュ博士が著したビジネスモデルです。
ブルーオーシャンには、中小企業経営にとって一番重要ともいえる『価値革新』の考え方について述べられている。
『価値改革』とは、自社の顧客にこれまで提供できていなかった「新しい価値」を創造し、提供することです。
これができないと、思ったように新しい顧客を獲得することができません。
新しい顧客を獲得できなければ、それは事業の終焉を意味することになります。

いまもっとも大事なことは「企業が新しい顧客を獲得・創造することができるか、否か!?」ということです。

                  <ブルーオーシャン戦略のフレームワーク>

ブルーオーシャン戦略骨子 

1 ブルーオーシャンとは、価格競争による儲からない経営を解消する考え方

値引き合戦や過剰で続けられない顧客サービスによる経営を、ブルーオーシャンの対極として『レッドオーシャン』と表現します。
レッドオーシャンは、いま多くの中小企業が取り組んでいる経営モデルともいえます。
ブルーオーシャンは、そのような考え方を否定することから始まります。
たとえば、市場に対してこのような思い込みはないですか?
  当社の製品はこれだけだ・・!
  お客様の望んでいることはこれだけだ・・!
  こんなことはとても出来ない、無理だ・・! などなど
これらはすべて固定観念であり、これまでの単なる経験に基づく「既成概念」に過ぎません。
実はそのすぐとなりに、他社とは一線を引ける『ブルーオーシャン』があるのです!

現代はボーダレスな国際社会です。
多くの企業が「日本で成功したからアジアでも成功するはずだ!」と思い込み、そのまま進出してうまく行かなかった事例は数多くあります。そこでホンの少し、発想を変え、手持ち製品の見方や組合せなどを変えて大成功を収めたユニ・チャームの話はよく知られているところです。

 

2 ブルーオーシャン戦略とは、お客様に違いが見える、わかる経営をする考え方

ブルーオーシャン・モデルでは「良い戦略」と「悪い戦略」の特徴を次のように紹介しています。

 《良い戦略の特徴》              《悪い戦略の特徴》
 ①メリハリがある               ①続けられない、利益が出ない過剰奉仕
 ②独自性がある                ②一貫性の欠如
 ③訴求力のあるキャッチフレーズがある     ③顧客が理解できない業界内の言葉使い

 《すぐとなりにあるブルーオーシャンに気づく発想方法》
 ①代替産業に学び、顧客の本当のニーズに気づく
 ②同業者で異なる市場にチャレンジしている企業に学び、従来とは異なる切り口に気づく
 ③お客様(購入者・利用者・影響者)をこと細かく観察する
 ④補完材・補完サービスを研究する
 ⑤機能志向(製品・商品)と感性志向(見た目)の切り替えを考えてみる
 ⑥将来を予想してみる

このような視点で現状を見つめ直してみると、新たな発想が生まれるかもわからりません。
一番大切なことは「なるほどね」と頭だけで理解するのではなく、「よし、考えてみよう」とトライすることです。

 

3 ブルーオーシャン戦略とは、急所・一点に経営資源を集中する考え方

どんなすごい戦略を立てても、実行しなければ意味がありません。
そう、実行に移さなければ意味はないのです。

 《実行をさせない障害・ハードル》
 ①意識のハードル     ☞そんなことは・・           (考えてもできないよな)
 ②経営資源のハードル   ☞うちは無理だよ・・          (資金も人材もないし)
 ③士気のハードル     ☞うちにはそんな社員はいないよ・・   (一番は自分なのに)
 ④抵抗・政治的ハードル  ☞今のお客さんになんて言われるか・・  (まだ一度も説明すらしていないのに)

新しいこと、今まで取り組んでいないことに抵抗があるのが当たり前です。
多くの企業はそこで立ち止まり、ただ考えただけでやってもいないのに、脳はやったつもりに記憶させてしまいます

こうしたハードルを乗り越えることを『ティッピング・ポイント・リーダーシップといいます。
一定数を超える人が信念を抱き続ければ、その考えは組織に浸透するということです。
したがって、経営者は「拡散」ではなく、「集中」を考えるリーダーでなくてはなりません。

 

4 ブルーオーシャン戦略とは、全社一丸で決意を実現する経営

戦略実行の本質は「従業員とのコミットメント」です。
確かに、経営者にしかできないことはありますが、一方、経営者だけでは何もできないことは数多くあります。
そのため、従業員とコミットメントをし、全社一丸体制を構築しなければなりません。
そうした「全社一丸体制」を構築するためには、次の公正なプロセスが必要です。

 《公正なプロセス(当たり前のこと)》
 ①関与  ☞従業員一人一人が意見が言える機会があること
 ②説明  ☞経営者の狙いや目的が説明されていること
 ③期待  ☞目標や成果が明示されていること
 ④報奨  ☞達成したならどうなるか、示されていること
 ⑤信頼  ☞経営に対する信頼と従業員に対する信頼があること

このように考えると、ブルーオーシャン実行の難しさは、当たり前のことをやり抜く難しさともいえます。

 

次回は、ブルーオーシャンの戦略ツールについて説明します。

 

 

ブルーオーシャンはこれまでの業界慣習や思い込みなどに囚われずに、
これまでの「常識」という枠の外に出ることによって、初めて実現できる。

「こんなことは大企業だけが可能だ」「とても私には無理だ」など
すでに感じている方は、それが思い込みであり、
従来の常識の枠の中に留まっていることに気付きましょう。
ときには逆から見ることも重要です。なぜなら
ブルーオーシャンは「技術革新」ではなく、「価値革新」なのです。

 

 

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