371.マーケット戦略 ランチェスター戦略
2018年7月13日
マーケット戦略 ランチェスター戦略
現代は売上を増やすことが非常に難しい時代となっています。
それは、いろいろなモノが溢れ、品揃えも豊富で、そのうえ市場は高齢少子化し、人口それ自体も減少し始めているからです。
さらに、将来に対する不安感から消費は減退化しており、かつ価値観は多様化しており、経済格差も顕在化し出している。
非常に複雑な社会状況となっています。
だから、ただ「頑張る」とか、「まじめに働く」というだけでは、思いどおりに売上高は増えなくなっています。
そこで従来からの企業経営に「何か」を加える必要があります。その「何か」とは、「経営の工夫」であり「販売の工夫」です。
そのことを『経営戦略』とか『販売戦略』という仰々しい言葉で表しますが、本来は経営戦略や販売戦略は身近なものです。
そして、経営の工夫や販売の工夫は、中小や小規模であればあるほど、強く求められているのです。
そこでこれから「マーケット戦略」というテーマで、いろいろな収益拡大の考え方をご紹介し、小さなビジネス企業の売上高拡大のヒントに供したいと思っています。
ランチェスター戦略 -小さな企業が勝つ方法-
ランチェスター戦略といえば、一度は耳にした方も多いかと思います。
マーケティングの経営戦略の多くは欧米生まれですが、このランチェスター戦略はなんと、日本生まれなのです。
それはともかくとして、ランチェスター戦略には小さな企業にとっての「販売戦略のヒント」が数多く盛り込まれています。
早速、そのいくつかを端的にご紹介しましょう。
<ランチェスター戦略 弱者の戦略/強者の戦略>
1 ランチェスター理論が教えてくれること
(1)数の多い企業が断然有利
だから、モノ・カネ・ヒトが少ないからこそ、「思い込みの打破」と「創意工夫」と「スピード」をもった経営が重要なのです。
そこで、ランチェスター戦略では、次のように言っています。
☞数が少ない企業には、局地戦・接近戦・一騎打ちを基本とせよ!
(2)強い企業とはシェア・ナンバーワン企業
強い企業とは、売上高ナンバーワンではなく、占有率ナンバーワンであるといっています。
そこで、ランチェスター戦略では、次のようなことを勧めています。
☞地元・分野・客層など小さな分野でよいからナンバーワンをつくろう!
(3)ナンバーワン企業以外の基本戦略は「差別化」
差別化とは、狭い地域で、お客様と接触し、競合店を絞り、これだけはいうものを作り、お客様の声で勝負しようというような
イメージです。そこで、ランチェスター戦略では、次のように言っています。
☞市場戦略は局地、顧客戦略は接近、競合戦略は1対1、思考戦略は1点集中、コミュニケーションは陽動
2 なぜ、シェア・ナンバーワンなのか
現在はいうまでもなく、日本国内は「低成長・市場縮小」の時代に入っています。
したがって私たち中小・小規模企業は、小さな何かで、No.1でないと、存在価値をお客様に示すことができません。
そして、そのNo.1になるには原理原則がランチェスター戦略なのです。
それが、いま再び、ランチェスター戦略が注目されて来てる理由です。
3 差別化戦略とは
(1)局地戦
広い地域ではなく、狭い地域で取りかかる。 一度にやろうとするのではなく、一つずつやる。そんなイメージです。
強者が手を出せない”死角”“ニッチ”を狙う戦略とも言い換えられます。
☞局地戦とは、限られた経営資源を集中して投下することです!
(2)接近戦
これは「差別化戦略」第2の戦略といわれています。
顧客の遠くにいないで、近くにいる。間接販売より直接販売です。
あるいは、不特定多数より継続性のあるひいき客、顔のわかる顧客に育成することがポイントです。
顧客は個客、集団ではなく一人一人です。その一人一人ののお客様と付き合う気持ちで接客することがポイントです。
お客様にとっては一人ひとりが自分であり、お客様です。
☞接近戦とは、お客様との親密性強化です!
(3)一騎打ち
これは「差別化戦略」第3の戦略といわれています。
一騎打ちとは、1対1の戦いに持っていくということです。1対1とは「どこの、だれに、なにを」を掘り下げていくことです。
「どこ」とは、細分化した特定の地域です。例えば、出店は半径1キロ以内に同業者が1店しかない場所を選び、なるべく近い場所に出店するなどです。
「だれ」とは、顧客を絞り込むことです。例えば、顧客内シェアの高い上得意先を大事にする営業活動をするなどです。
「なに」とは、フルラインナップより品目を絞ります。例えば、品揃えを多くすると考えるよりも、バリエーションを増やすことを考えます。
☞一騎打ちとは、規模の大小を消し去ることです!
(4)一点集中
一点集中とは、「地域を絞る」、「顧客を絞る」、「製品を絞る」などです。
地域を絞るとは、営業地域を30分以内の地域にするとか、広い場合には核となる顧客を中心点として集中的にアポイントを取るようにします。
顧客を絞るとは、万人受けを考えず、一つの業界に特化するとか、ある客層に集中するとかです。
製品を絞るとは、売れている商品や流行の商品に絞ります。
☞一点集中とは、逆説的にいえば、やらないことを決めることです!
(5)陽動作戦
陽動とは、「かく乱」とか、「その気にさせる」ことをいいます。
顧客のプライドをくすぐるとか、口コミを活用するなどが考えられます。
☞陽動作戦とは、お客様をその気させることです!
このように挙げれば、当たり前のことが多いかと思います。
しかし、その当たり前のことができていない、やっていないのが私たちなのかもわかりません。
やっていないのに、やっているような気持になっている・・。
当たり前のように思われることを、真剣に考え直している企業は少ないのが実情です。
そこが差別化です。
ぜひ、自社にとっての、局地戦・接近戦・一騎打ち・一点集中・陽動作戦とは、何なのか?
一度、考えて見られたら、いかがでしょうか?
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