369.マーケット戦略 ブルーオーシャン・ツール
2018年6月29日
マーケット戦略 ブルーオーシャン戦略ツール
現代は売上を増やすことが非常に難しい時代となっています・・。
いろいろなモノが溢れ、さまざまな種類も存在し、そのうえ市場は高齢少子化し、人口それ自体も減少し始めているからです。
さらに将来に対する不安感から消費は減退化しており、かつ価値感は多様化し、経済格差も顕在化し出している。
非常に複雑な社会状況です。
だから、ただ頑張るとか、まじめに働くというだけでは、思いどおりに売上高は増えなくなっています。
そこで、従来からの企業経営に「何か」を加える必要があります。
それは「経営の工夫」であり「販売の工夫」です。そのことを『経営戦略』とか『販売戦略』という仰々しい言葉で表す。
本来、経営戦略や販売戦略は身近なものです。そして、このことは中小企業や小規模企業ほど、強く求められています。
そこでこれから「マーケット戦略」というテーマのもとで、いろいろな収益拡大の考え方をご紹介し、
小さなビジネス企業の売上高拡大ヒントに供したいと思います。
ブルーオーシャン戦略 -5つの原則ー
ブルーオーシャンとは「これまでの競争軸を変え、中小企業経営に一番重要ともいえる『価値革新』の考え方について
述べられている」ということは、前回説明したとおりです。
そして、それを推し進めていくためには、次のような『5つの原則』があるとしています。
第一の原則 市場の境界を引き直す ☞市場の境界線を引き直して競争を迂回する
第二の原則 細かい数字は忘れ、森を見る ☞現状の細部を見ることに時間を費やすのではなく、全体像に注意を向ける
第三の原則 新たな需要を掘り起こす ☞現在のニーズに焦点を当てるのではなく、顧客が共通して重んじる要素を探る
第四の原則 正しい順序で戦略を考える ☞顧客にとっての効用、価格、コスト、実現への手立て、という順序で戦略を築く
第五の原則 組織面のハードルを乗り越える ☞他社とは違う価値曲線を求めるブルーオーシャン戦略実行のハードルはより高い
そこで今回はその具体的な戦略ツールについて説明します。
1 市場の境界を引き直すツール『6つのパス(経路)』
6つのパスとは、市場の境界を引き直す際の思考経路です。
経路1.代替産業を見てみる
競争の相手は決して同業者だけではありません。必ず代替サービスを提供している企業があります。
代替産業を見てみるとは、そのような代替産業の狭間から『価値革新』を学び取るという意味です。
経路2.同じ業界の違った考え方の企業を見てみる
同じ業種であっても違った戦略をもつ企業は多くあります。高級志向、低価格志向、回転率志向など様々な戦略を持っています。
同じ業種の違った考え方の企業を見るとは、自社とは違う戦略を持つ企業からも学び、価値革新のヒントを得るという意味です。
経路3.顧客をよく見てみる
「顧客」とひと言で括りますが、よく観察すると、そこには、購入者・利用者・影響者などの存在があります。
顧客をよく見るとは、これまで思い込みで見ていないかと疑い、再度、顧客を見直し、価値革新のヒントを得るという意味です。
経路4.関係する業界を見てみる
いろいろな商品やサービスは、組合せをして利用される場合が多くあります。
関係する業界を見てみるとは、補完財や補完サービスをも見渡し、価値革新のヒントを得るという意味です。
経路5.発想を転換してみる
ときには、業界の常識や自社の常識を逆転してみるとことも大事です。
発想を転換してみるとは、いままでとは違うアングルから業界・自社を見直して、価値革新のヒントを得るという意味です。
経路6.将来を想像して見る
どのような業界であっても時代の流れの中で外部環境からの影響を受けています。その流れ・トレンドを捉えなくてはなりません。これは将来を読むこと、当てることが重要なのではなく、考えること自体が変化に対応できる態勢につながるという意味です。
2 細かい数字は忘れ、森を見るツール『戦略キャンパス』
戦略キャンパスとは、全体像に注意を向けて新しい市場を探り出す方法です。
横軸に「差別化したい価値要素」を取り、縦軸にはその「魅力度」を取ります。
各価値要素の点を結び合わせた折れ線が他社と異なる場合は、新たな市場を創造できる可能性が高いことを示します。
たとえば、よく事例とされる1000円カットのQBハウスで説明すると次のようになります。
差別化したい価値要素として、価格、予約、各種サービス、ヘアトリートメント、衛生面、待ち時間、カット時間、エアウォッシャーなどをとって、その市場性を確認します。そうするとカットというところに「集中」させ、待ち時間、カット時間を短縮し、
料金は明らかに安く、そしてエアウォッシャーという新しいサービスを加えて、明らかに従来の理髪店と差別化・差異化し、
新しい市場が創造できる可能性を示しています。
さらにここには現れていませんが、設備投資額の少額化、店舗面積の小規模化を実現しています。
3 新たな需要を掘り起こすツール『4つのアクション(アクション・マトリクス)』
4つのアクションとは、新たな需要・市場を掘り起こすための新しい価値曲線を描くための方法です。
次の4つの問い掛けから考えます。
問1 業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち「取り除くべきもの」はなんですか?
問2 業界標準と比べて思いきり「減らすべき要素」はなんですか?
問3 業界標準と比べて大胆に「増やすべき要素」はなんですか?
問4 業界でこれまで提供されていない「付け加えるべき要素」はなんですか?
QBハウスの事例では
取り除く 予約、カット以外のサービスなど ☞お店には電話すらありません! また雑誌や新聞もありません
減らす 料金、カット時間、待ち時間など ☞店外には待ち時間信号があります!
増やす 衛生面・清潔感など ☞カットした髪の毛はブローで吸い込み、クシは一人一人で替えます
つけ加える チケット自販機、エアウォッシャー、待ち時間信号など ☞チケット自販機だから売上集計もスピーディ
こうして事例を見てみると、自社の4つのアクションも見えてきますね。
4 正しい順序で戦略を考えるツール『4つの策定手順』
4つの策定手順とは、ブルーオーシャン戦略で十分な利益を得られるように確かな事業モデルを築く方法です。
STEP1 顧客にとっての効用を考える ☞「このアイデアは顧客に納得できる効用をもたらせますか?」
STEP2 価格・料金を設定する ☞「この価格・料金は顧客にとって買いやすい、求めやすいものですか?」
STEP3 コストを吟味する ☞「価格競争力を保ったうえで利益が出るようにコストを下げられていますか?」
STEP4 実現への手立て ☞「このアイデアを実行していく上での障害はなんですか?
また事前にその障害の対策をとっていますか?」
ここまで対策が講じられれば、それはブルーオーシャン・アイデアになります。
5 組織面のハードルを乗り換えるツール『ティッピング・ポイント・リーダーシップ』
どんな戦略でも実行に移すにあたっては難題がつきまといます。
ブルーオーシャン戦略は現状から大きく飛躍することが求められますので、より一層、ハードルは高いものとなります。
そこで、ティッピング・ポイント・リーダーシップとは、困難な変革であっても、短期間に低コストで乗り越えられ、
従業員の後押しもできるマネジメント方法です。
<4つのハードル(難題)とティッピング・ポイント・リーダーシップ>
ハードル(難題・困難・抵抗)を超えるポイントは、全体に働きかけようとするのではではなく「集中」です。
どんな組織でも、一定数を超える人々に理解され賛同を得られれば、この4つのハードルを乗り越えることができ、
その価値革新である変革は大きなうねりとなって動き始めます。
いかがでしょうか、このブルーオーシャン戦略・・、トライしてみる価値は十分あると思いませんか?
ブルーオーシャンはこれまでの業界慣習や思い込みなどに囚われずに、
これまでの「常識」という枠の外に出ることによって初めて実現可能となります。
「こんなことは大企業だけが可能だ」「とても私には無理だ」など
すでに感じている方はそれこそが思い込みであり、従来の常識の枠の中に留まっているということです。
ときには逆から見ることも重要です。
なぜならブルーオーシャンは「技術の革新」ではなく、「価値の革新」だからです。
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