386.図解 事業戦略策定 2

2018年10月27日

事業戦略策定第2回は『事業目的の重要性』です。

事業目的が「なぜ、重要なのか」考えてみましょう。

 このケーススタディでよく使われるのがアメリカの鉄道会社です。

アメリカへ行った方も多いかと思いますが、アメリカにおける移動手段は何だったですか?

ほとんどが、飛行機か長距離バスであったかと思います。

あたらめて考えてみると、日本であれば新幹線なども多いことも考えれば、少し不思議な気がします。

 では、なぜそうなってしまったのでしょうか?

映画で西部劇などをみると、昔はアメリカも移動・輸送手段は鉄道であったように思われるのですが・・。

 

1 『事業目的』を間違ってしまうと事業は衰退してしまう可能性がある

 それはアメリカの鉄道会社が事業目的を「鉄道事業」と狭義に定義してしまったからだといわれています。

やがて第一次産業革命後の第二次産業革命ではモータリゼーションの時代となり、自動車や飛行機が発明、商業化されだしました。

 しかしアメリカの鉄道会社はそれを、自動車・航空機事業であり、自社の鉄道事業とは関係がないと判断したわけです。

やがてそれらの事業は、移動手段や輸送手段として浸透しだし、気づいた時にはもうどうしようもなかったというのが現代までの

状況です。これから日本の技術などを導入し、大陸横断鉄道など、アメリカの鉄道会社はどのように巻き返しを計るのか注目される

ところです。 このように『事業目的』を誤ってしまうと取り返しがつかなくなってしまいます。

2 『事業目的』を市場志向で考える

 事業目的を考える際、その考え方には「製品志向」と「市場志向」とがあります。

 製品志向とは、その言葉のとおり、自社が提供する製品、商品、サービスから考える考え方です。

たとえば、飲食業であれば、日本料理とかフレンチ、あるいは食堂、ラーメン屋、パン屋などです。

製造メーカーであれば、精密機械製造とか化粧品製造販売とか、あるいはサプリメント製造販売などです。

サービス業であれば、美容室とかマッサージ店とか、税理士業などです。

 一方、市場志向とは、自社の製品、商品、サービスなどで、いったい市場で何を実現させたいのかというアプローチで考えます。

特に、コンシューマ市場を対象にする場合は、ライフスタイルや文化や自己表現、あるいは夢などからアプローチして考えます。

そうすると何が違うかといえば、事業領域である戦略ドメインに柔軟性ができ、自社を取り巻く環境の考え方が広くなります。

広くなるとそれだけアンテナが広くなり、経営戦略に柔軟性が出てきます。

 

 「そんな抽象的なことねぇ・・」と否定的に考えず、一度、その気になって考えてみられることを、特にスモールビジネスを

 展開されている皆さんにはお勧めします。

 きっと、あなたの会社は強くなり、強くなれば掴むチャンスも多くなると思います。