418.図解 事業戦略策定 34

2019年6月21日

事業戦略策定第34回は『新たな価値を発想するための6つのパス』です。

経営者としては、常に、何とかして新しい付加価値を発見し、同業者とは異なる市場を開拓したいと考えるものです。

しかし、なかなかそう簡単には、発見できません。そこで紹介したいのが、この『6つのパス(経路)』です。

『6つのパス』とは、競争がない、新しい市場を考えたいときの「思考経路」です。

この6つの経路であらためて自社の周りを見直してみると、意外と自社の『ブルー・オーシャン』にたどり着くかもわかりません。

 

経路1 代替産業に学ぶ

競争の相手は、決して同業者だけではありません。必ず、自社の代替商品や代替サービスを提供している企業があります。

例えば、ラーメン店であれば、競争相手は同業者のラーメン店だけではなく、他の飲食業も競争相手になります。

さらには、コンビニ店やスーパーなども競争相手といえるかもわかりません。

顧客の立場で考えると、たとえば昼食を取る場合、ラーメンかカレーかなどの外食産業からスーパー・コンビニなどのお弁当まで、

幅広い選択肢の中から考えていることに気づきます。

ところが経営者の立場になって考えてみると、同業者の動向には関心を持ちますが、その他に対しては意外とそうでもありません。

しかし顧客は、このように広い選択肢の中から、自社のラーメン店を選んでいるのです。

代替産業に学ぶとは、そのような代替産業のはざまから『価値革新』を学び取るという意味です。

 

経路2 他の戦略企業から学ぶ

同じ業界・業種であっても、違った考え方や戦略を持つ企業は多くあります。

高級志向や低価格志向、さらには回転率志向など、さまざまな戦略を持っています。

他の戦略企業から学ぶとは、同じ業界の違った戦略の企業を見てみるということであり、自社とは違う戦略を持つ企業から学び

『価値革新』のヒントを得るという意味です。

 

経路3 買い手グループに注意する

「顧客」と、一言で括りますが、よく考えると、そこには「購入者」「利用者」「影響者」などの存在があることに気づきます。

例えば、玩具店の場合であれば、利用者は確かに子供たちかもわかりませんが、購入者の多くは両親です。

また、影響者として、祖父母の存在もあるかもわかりません。

例えば、ハウスメーカーの場合、利用者・購入者は若い夫婦かもわかりませんが、支援者あるいは影響者として両親の存在がある

のかもわかりません。

しかし、業界を俯瞰してみると、意外と同じ顧客だけ焦点を合わせている場合が多いという指摘です。

玩具店であれば「子供たち」、ハウスメーカーであれば「若い夫婦」というようなことです。

買い手グループに注意するとは、顧客というものをあらためてよく見て、いままでの見方は思い込みではないかと疑い、

顧客とその周りもよく見直し、『価値革新』のヒントを得るという意味です。

 

経路4 補完財や補完サービスを見渡す

商品やサービスというものは、いろいろな組合せをして、利用される場合が多くあります。

例えば家具などを購入する場合、家具そのものだけで判断するのではなく、部屋との調和性や家族構成などにも影響されます。

このように、補完財や補完サービスを見渡すとは、自社の商品やサービスに関係する他の業界なども見て『価値革新』のヒントを

得るという意味です。 

 

経路5 機能志向と感性志向を切り替える

ときには、業界の常識や自社の常識を逆転してみるとことも大事です。

例えば、時計のスウォッチは、機能志向が強かった業界に対して、感性志向のファッションを時計に持ち込みました。

さらに、最近ではブランド化も図っています。

またこの逆の発想をしたのが、QBハウスです。それまでの理容業界はどちらかといえば感性志向でした。

散髪に行って、ちょっとオシャレ度を上げるというような雰囲気がありました。

そこをQBハウスは、徹底的に機能志向に切り替え、低コストと短時間化を実現しました。

機能志向と感性志向を切り替えるとは、発想を転換して、いままでとは異なるアングルから業界・自社を見直して『価値革新』の

ヒントを得るという意味です。

 

経路6 将来をにわたって外部トレンドの形成に関わる

どのような業界であろうと、時代の流れの中で、外部からの影響を受けています。

したがって、その流れ(トレンド)を捉えなくてはなりません。

これは、流行を予測するという意味ではなく、これから顧客嗜好はどう変わるのかとか、自社の事業にどう影響を与えるのかという

ことを考えるということです。

将来を読む、当てることが重要なのではなく、常に考えることが、変化に迅速に対応できる態勢を保つことになるという意味です。

 

 

「6つのパス」とは着想方法みたいなものです。どうしても、私たちは固定的な見方になりがちです。

この「6つのパス」によって思考のストレッチを行い、これまでスルーしていた価値に気づき、価値革新を起こすということです。

意外と小さな価値革新だと思っていたことが、実は多くの人も気になっていた「価値」だったりすることはよくあることです。

この6つのパスで、少しでもブルーオーシャンに近づき、オンリーワンの世界を目指しませんか。

 

 

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戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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