449.会計で経営力を高めるシリーズ
2020年2月2日
厳しくなる中小企業経営環境
1.消費税率の引き上げによって消費税納税額が増加する ⇒実質今年2020年から
2.時間外労働の上限規制の開始によって生産性を高めることが求められる ⇒2020年4月から
3.同一労働同一賃金制度の導入開始によってパート・契約社員の人件費が増加する ⇒2021年4月から
4.時間外割増率の猶予措置廃止によって残業手当は増えてくる ⇒2023年4月から
5.インボイス制度が開始され実質的に免税事業者制度は無くなる ⇒2023年10月から
こうやって見てみると、この2~3年で、随分、中小企業を取り巻く経営環境が厳しくなって行くことがわかります。
この背景には人口が大きく減少していく中で、我が国の経済力をなるべく維持するという政策があります。
経済力はGDPで表されていますが、売上が「単価×数量」と言い換えられると同様、GDPも「一人当たりのGDP×人口」と
言い換えられます。
因子の一方「人口」が減ることは当分の間、避けられません。
そうなると変えられるのはもう一方の因子「一人当たりのGDP」、つまり生産性です。
そのために「働き方改革」があるわけですが、より確実に生産性を上げていく方法は、労働人口も減っていくわけですから、
その減っていく労働人口を、より生産性の高いところへシフトしていくことです。
つまり、生産性の低い中小企業を淘汰して、生産性の高い企業へ労働力をシフトさせることです。
したがって、これからは表向きはそうではないかもわかりませんが、生産性の低い中小企業にとってはたいへん厳しい経営環境と
なっていきます。
これらの経営環境を乗り越えるために様々な打ち手は考えられますが、
その根本として「経営力を高める」必要があります。
「経営力を高める」というと抽象的な表現ですが、それを具体的な表現に言い換えると「会計をもって経営力を高める」という
ことになります。
多くの中小企業ではまだ「決算・申告のため」と会計業務を捉えていますが、「経営力を高める」という意識で会計業務を行って
いる中小企業は非常に少ないようです。 しかし一方、そのように捉えて、堅実な経営をしている中小企業もあることは事実です。
そこで今回からは「会計で経営力を高める」というシリーズでこのコラムを執筆します。
おたのしみに・・。