474.自社の環境分析方法 自社商品分析
2020年7月24日
今回は、自社の商品や製品あるいはサービスなどに関する分析手法だ。
これらについては『ポートフォリオ分析』や『ライフサイクル分析』などがある。
これらは、自社商品等に対する戦略や力の入れ具合を意思決定する際に用いられる分析手法である。
1 ポートフォリオ分析
ポートフォリオとは、もともと「自社商品や製品・サービスの組み合わせを制御する」という意味だ。
したがって、ポートフォリオ分析とは、「最大の事業資金を生み出すために、自社の商品・製品・サービスの中で、どれに営業力を
傾注し、おカネを投じるか!?」ということを見極める分析手法だ。
そのイメージを図示すると、つぎのようになる。
あまり難しくは考えないで、
まずは、自社の商品等について、「金のなる木」「花形」「問題児」「負け犬」の4つのカテゴリーに当てはめる。
1.「金のなる木」とは
いまそれほどのおカネをかけなくても売れる商品で、自社にとってはおカネを稼げる商品群のことを指す。
いわゆる、自社の定番商品とか、看板商品みたいなイメージだ。
野球で言えば、レギュラー選手といえる。
2.「花形」とは
いま、売り出し中の商品だ。したがって、おカネもかけているが、同時に稼いでくれる商品群のことを指す。
たとえば、自社の売り出し中の商品、話題の商品みたいなイメージだ。
野球で言えば、スター選手といえる。
3.「問題児」とは
売り出そうとして、そこそこおカネはかけているが、なかなか思うように売れない商品群のことを指す。
いわゆる、自社にとって将来を担う商品というイメージだ。
野球で言えば、将来を嘱望されている新人選手といえる。
4.「負け犬」とは
これは、最終的な商品の状態だ。
これまでは売れて来たが、時代の流れとともに売上が落てきた商品、あるいは売れると思っていたが、結局あまり売れなかった商品
のイメージだ。
野球で言えば、引退間近の選手、あるいは期待されていたが一軍で活躍できなかった選手といえる。
ポートフォリオ分析の原則は「金のなる木」から得た資金を「問題児」に投入し
「花形」に育てるという流れだ
このポートフォリオ分析によって、自社の商品に対する「力の入れ具合」を決定する。
2 ライフサイクル分析とは
ライフサイクルとは、「商品の需要生命段階」という意味だ。
つまり、商品は一般的に、必ずやがては需要が減り、さらには無くなってしまうということだ。
したがって、ライフサイクル分析とは、自社の商品・製品・サービスがどのステージにあるのかを判断して、
次代の商品開発を考えていくことだ。
そのイメージを図示すると、つぎのようになる。
商品のライフサイクルは「売上・収益の軸」と「時間の軸」によって、次の4ステージに分けられる。
1.導入期
導入期とは、最初の段階であり、まだ知名度や認知度も低く、市場の需要も低い段階だ。
いわゆる「低成長時期」である。
このとき、需要の低さが、商品ポテンシャル自体にあるのか、それとも単に認知度が低いためにあるのか、見極めることが重要だ。
→この段階はポートフォリオ分析では「問題児」にあたる。
2.成長期
成長期とは、導入期の次の段階だが、このステージに入ると商品需要も喚起され、ニーズも高まり出し、競合他社も増えてくる。
いわゆる「急成長時期」である。
この段階では、商品自体は放っておいても市場が拡大していくので売れていくが、一番の課題は「シェアの獲得」だ。
それが次の段階での資金獲得に重要なファクターとなる。
→この段階はポートフォリオ分析では「花形」にあたる。
3.成熟期
成熟期に入ると、マーケットシェアは安定し、もうこれ以上、新規ライバルも現れないという状況が生み出される。
したがって、ある程度、売上と利益は安定し、獲得できる資金も計算できる。
いわゆる、商品の「ピーク時期」である。
事業としては、獲得したシェアを失わないように、営業努力を強化することが大切で、次に続く商品開発も考えておかねばない。
→この段階はポートフォリオ分析では「金の生る木」にあたる。
4.衰退期
成熟期を過ぎると、次にやってくるのが衰退期だ。
衰退期は、商品ニーズが低下し始めるとともに、売上や利益、そして競争相手にも衰退が見え始める。
経営的には、市場撤退時期も視野に入れておく必要が出てくる。
この衰退期では、収益はあまり減らさずに、コストもかけないという経営手腕が、資金流入的には重要となる。
→この段階はポートフォリオ分析では「負け犬」にあたる。
ただ漠然と営業を続けるのではなく、市場とのコミュニケーションを敏感にし
自社の商品状況を判断することが大切だ!
それによって、経営環境に負けない経営ができるようになる。
戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることだ。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしている。
その結果が「いま」であることを忘れてはいけない。
違う結果を得るには、『思い込み』を打ち破るしかない。
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