507.メールマーケティング①

2021年3月19日

中小企業ビジネス、特にこれまで長く頑張って経営を続けている中小企業ほど「新しい経営手法」を取り入れていかねばならない。

それほど、時代は変わっているいうことだ。もはや、従来の手法だけでは生き残れない。

そこで今回から、決して新しいことではないが、未だ中小企業の間では定着しているとは言い難い、「eメールの活用」について、

『メールマーケティング』と題し、4回に分けて紹介する。

その内容は以下のとおり。

  1 メールマーケティングとは

  2 メールマーケティングの歴史

  3 目標を設定する

  4 なぜ、メールマーケティング必要なのか

  5 費用対効果

  6 リーチの広さ

  7 メルマガ広告とSNS広告、どちらが優れているのか

  8 メールのウィークポイント

  9 まとめ

 

1 メールマーケティングとは

 メールマーケティングとは、「eメールを利用したマーケティング」のことである。

メールマーケティングに関する明確な定義はないが、一般的には「工夫したメール配信によって、期待した成果を得ること」と

されている。

ただし、メールマーケティングはただ定期的にメールを送信することや、ただ一斉配信することだけを指すのではない。

 

 あくまでも

①メール送信して

②集客や購買あるいはファン育成やリピーター創出など、何らかの目標を設定して

③その目標数値を達成する

ことをいう。その意味では、メールマガジンの発信も広い意味ではメールマーケティングの一つといえなくもない。

 

メールマーケティングとは「メール送信という手段」で「設定した目標を達成する」ことである!

 

 

2 メールマーケティングの歴史

 メールマーケティングの歴史は古く、1978年に米国企業が行ったことが、その最初だといわれている。

以来40年以上経つわけだが、いまでは、eメールは多くの企業にとって欠かせない重要なマーケティング手段となっている。

 

 先ほど「メールマガジンの発信も広い意味ではメールマーケティングの一つといえなくもない」といったが、

だからといって、メールマガジンのすべてがメールマーケティングというわけではない。

メルマガは企業や個人がeメールを利用して、顧客や読者に対して、一斉に情報を送信するメール配信のことをいうが、

郵送や電話など、その他の販売促進手段と比べると非常に安価で、システム導入のハードルも低いことから、

多くの企業が販売促進手段として取り入れ、爆発的に普及した。

 

 しかしその一方で、爆発的な普及はいたずらに配信数の激増につながり、顧客や読者のメールボックスはさまざまな企業からの

メルマガで一杯になるという笑えない現象も引き起こしている。

その結果、最後まで読まれるメルマガは減少し、一斉配信のメルマガ効果が疑問視されるというようになった。

そのような中で、一方的な情報配信ではなく、顧客一人ひとりに合ったメール配信を行い、

効果の最大化を図ろうとする『One to One(ワンツーワン) マーケティング』の考え方が広がってきた。

こうしてメルマガは、配することが目的のメルマガから、効果を最大化するためのメールマーケティングへと変化して来た。

この歴史的な流れをまとめると、以下のようになる。

eメールの普及 → 販売促進への利用 → メルマガの乱立 → 効果の低減 → メールマーケティングへ発展

 

メールマーケティングの根底には『One To One マーケティング』発想が流れている!

 

 

3 目標を設定する

 メールマーケティングは既述のとおり、ただ闇雲にメール配信することではなく、目標に対する「効果の最大化を目指す」という

目的がある。

そのため、メールマーケティングを行うには「定量的な目標設定」「継続的な改善活動」が必須であり、大変重要な意味を持つ。

ただし、目標は「たくさんの人に読んでもらう」とか、「一人でも多くの人に知ってもらう」などの曖昧なものでは意味がない。

 必ず、測定可能(定量的)な数値目標を設定することが重要である。

 

 例えば、

①メールがどれだけの人に読まれたのかという『メールの開封率』を設定する

②どれだけの閲覧者を誘導できたのかという『本文中のURL(ホームページアドレス)クリック率』を設定する

③メールからどれだけの売上を上げられたかという『コンバージョン率』(※)を設定する

 ※コンバージョン(conversion)とは、「転換」「変換」「転化」などと直訳されるが、

  具体的には、閲覧者がホームページの目標としているアクションを起こしてくれた状態のことを指す。

  たとえば、1人の閲覧者が商品・サービスを購入したり、資料請求をおこなったりした場合は、

  「ホームページがコンバージョンを1つ獲得した」とカウントする。

などだ。

 

 さらにメール配信後はその結果を記録し、次回配信の改善につなげることも重要だ。

多くの企業ではこの「継続的な改善活動」をしないため、メールマーケティングの成果が得られていない。

一方、メールマーケティングを成功させている企業は、必ずこの「継続的な改善活動」を続けている。

 

メールマーケティングは定量的な目標設定し、その達成の記録と継続的な改善活動が重要である!

 

(つづく)

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることである。

われわれは思いの外、思い込みに囚われて生活や仕事をしている。

そしてその結果が「いまである」ということを忘れてはいけない。

違う結果を得たいのであれば『思い込み』を打ち破るしかない。

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