559.科目の読み方⑮ 租税公課

2022年4月2日

今回の科目の読み方は『租税公課』です。

なにやら難しい科目です。「ソゼイ、コウカ」と読み、国や地方に納める税金である「租税」と、

公共団体へ納める会費や罰金などである「公課」を合わせた勘定科目名です。

あまり馴染みのない勘定科目ですが、今回はそんな租税公課の読み方を考えてみましょう。

租税公課とは租税と公課を合体させた科目です!

 

1 租税公課とは

 租税公課とは、租税と公課を合体させた科目名ですが、

それでは「租税」には何かあるのでしょうか。

 事業税、事業所税、固定資産税、自動車税、軽自動車税、印紙税のほか、税込み方式の消費税、不動産取得税、登録免許税、

 地価税などがあります。

また「公課」には次のようなものがあります。

 国や地方公共団体が発行する各種証明書の発行費用、行政サービスの手数料、延滞税・不納付加算税、過怠税などの罰金、

 交通反則金、金商工会や同業者団体などの会費などがあります。

 

 これらの中で経費と認められないもの(損金不算入)があります。

それは「公課」の中の、延滞税・不納付加算税・過怠税などの罰金と交通反則金です。

これらは罰則的な税負担ですので、これを経費として認めてしまうと懲罰としての意味合いが薄れてしまいます。

よって、税法ではこれを経費として認めてはいません。

租税公課の中でも罰則的な税負担は、税法上経費とは認められない(損金不算入)!

 

 

2 租税公課の仕訳

(1)固定資産税の仕訳

 たとえば、市役所から固定資産税(第1期分)90,000円が普通預金口座から引き落としされた場合

  租税公課 / 普通預金  90,000円

 

(2)印紙税の仕訳

 たとえば、法務局へ行き、収入印紙10,000円を現金で購入した場合

  租税公課 / 現金    10,000円

 

(3)法人税の場合

 たとえば、法人税を申告をして、法人税100,000円を銀行で納付した場合

 法人税は租税公課に該当しませんので、次のような仕訳となります。

  法人税等 / 現金   100,000円

法人税等は租税公課ではありません!

 

 

3 租税公課科目の管理のポイント

 租税公課は法人税の申告書を作成する場合、申告書にいろいろ転記することになります。

したがって、「租税公課」という勘定科目だけでいろいろな租税や公課を処理するのではなく、

次のように口座別管理すると便利です。

 <租税公課の口座別管理イメージ>

 租税公課  - 国税法人税

         国税地方法人税

         都税法人税割

         都税均等割

         都税所得割

         都税地方法人特別税割

         収入印紙代

         自動車税

         交付税        など

租税公課はそれぞれ口座別管理をする!

 

 

 

このように会計に対する理解が深まれば深まるほど、それだけ経営技術を向上させることが出来ると同時に、

申告書作成の理解も深まります。

このように会計のルールには、健全な経営をしていくための意味が隠されています。

だから科目の読み方や意味の理解が深まれば、健全な経営をする道すじが見えてくるようになります。

もう、どんぶり勘定や勘ははるか過去のもの、管理会計と会計で読む力がいま問われているのです。 会計はたのしい!