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669.経営を強くする BSを読みこなす⑦

2024年8月2日 印刷用ページ

 力強い経営をして行くためには、

事業設備である固定資産を有効活用すること、無理な設備投資をしないこと、無意味な設備投資をしないことなどが大事だ。

固定資産の有効活用や無意味な設備投資は、売上高との回転率を見れば判断できる。

無理な設備投資は、固定資産購入の財源を読むことで判断できる。

 

1 売上高固定資産回転率と回転期間

 売上高固定資産回転率とは、保有している固定資産で効率よく売上高を上げているか? ということだ。

そのことを”回転率”といい、効率が良ければ、固定資産回転率は高くなる。

それによって、工場やオフィスなどへの設備投資が売上に対してどれだけ貢献しているのか、が読むことができる。

固定資産回転率を良くするには、新商品などを開発提供して売上高を伸ばす、オフィスの規模を縮小して固定資産を減らすなどが

考えられる。

 さらに、主な固定資産については売上高回転期間を確認し、それぞれの貢献度を確認することが実務としては大事だ。

たとえば、固定資産が2,000万円で、その内、有形固定資産1,800万円、A設備が1,000万円、B設備が500万円、C設備が300万

円で、年間売上高が7,300万円(日商20万円)だとすると・・

固定資産回転期間は100日(2,000万÷日商20万)、有形固定資産回転期間は90日(1,800万÷20万)となり、各設備の回転

期間はAが50日(1,000万÷20万)、Bが25日(500万÷20万)、Cが15日(300万÷20万)だったことがわかり、固定資産

回転期間をより短くするためにはどこをどう改善すれば短くできるのか、より具体的な検討できるようになる。

 固定資産が多いと立派な企業のように見えるので、ついつい過剰投資になりがちとなる。気をつけたいことろだ。

固定資産は必要最小限に抑えることが大事!

固定資産の見直しは各設備の回転期間を見ることが大事!

 

2 固定資産購入の財源

 事業の財源状況は、BSの負債と純資産、つまり他人資本と自己資本を比べればわかる。

資金調達は、流動負債・固定負債・純資産の3つに分けられるが、それぞれには基本的な使い方(基本的な資金運用)というものが

ある。このことを理解しておくことが大事だ。

事業の財源にはそれぞれ基本的な運用というものがある!

 

 それを正しく知るには、毎日の経理業務で、1年ルールに基づいて、流動負債と固定負債をきちん分けて仕訳することが大事だ。

それによって流動負債・固定負債の割合が変わるからだ。

意外とこの区分けは、長期借入金の中の1年以内返済部分を「1年以内返済長期借入金」に計上していないなど、正しくされてい

ことが多い。

経理において正しく流動負債・固定負債に分けて仕訳する!

 

 3つの資金調達は、下記のような運用が、基本となる。

1.流動負債は流動資産だけに運用する。

2.固定負債は流動資産と固定資産に運用する。

3.純資産は固定資産と手元資金に運用する。

このように調達と運用のバランスがとれていれば、経営の安全性は高まる。

調達と運用のバランスがとれれば安定した経営となる!

 

 

固定資産は稼働状況と資金源を確認することが大切だ。

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