520.会計によるリスク管理法⑪ まとめ
2021年6月26日
リスク管理観点から会計を捉えるシリーズ第11回 まとめ
ワクチン接種も進み出し、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック有人観客開催に向けて、最終局面となってきましたが、
オリ・パラ開催後は本当に大丈夫なのでしょうか?
人流による影響やウイルス変容による影響をハッキリ予測し、決断しないので、対策は常に後手後手に回り、
このことを「リスク」と呼ばないのなら、一体何を「リスク」と呼ぶのでしょうか。
いずれにせよ、生活や経営に対しての影響は不透明ですので、結局は個人・企業が具体的な対策を考えなくてはならず、
企業経営においては「守りの経営」へ舵取りすることが重要になっています。
これまでの「リスク管理観点から会計を捉えるシリーズ」をまとめ、このシリーズの最終回としたいと思います。
今シリーズの発端は、突然、売上がゼロになるなんてことは現実に起こり得ないと思っていたことが、このコロナ下で
多くの企業で実際に起こっていることです。
そこで会計・経理を考え直し、それらの兆候は必ず数字となって現れてくるので、会計からそれをどう見つければよいのか!?
ということがテーマでした。
1 現預金のリスク管理
1.現金はポケットマネーと同じなので、手元にはまとまった現金は置かない。
2.預金管理を会計ソフトの口座別管理機能を応用して、資金用途別に有り高を管理する。
3.現預金の総量は『手元流動性比率(=現預金÷月次売上高×100)』で毎月チェックする。
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2 売掛金のリスク管理
1.売掛金は会計ソフトで得意先別に管理する。
2.入金期限が到来したなら回収することを徹底する。 つまり、未入金に対しては、直ちに回収活動を起こすことです。
3.売掛金の総額は『売掛金回転期間(=売掛金÷月次売上高)』で毎月チェックする。
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3 営業資金のリスク管理
1.営業資金とは毎日の販売活動に必要な運転資金。
2.営業資金の不足額は『運転資金要調達高(=売上債権+棚卸資産ー買入債務)』で管理する。
3.手元資金と運転資金要調達高のバランスを毎月チェックする。
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4 経営資金のリスク管理
1.経営資金とは販売活動を含む、毎日の経営で必要な運転資金。
2.それは『経営資金(=流動資産ー現預金)』で知ることができる。
3.その経営資金と流動負債のバランスを毎月チェックする。
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5 棚卸資産のリスク管理
1.棚卸資産の持ち過ぎ(過剰在庫)は、赤字経営の原因となる。
2.棚卸資産の総量状況は『棚卸資産回転期間(=棚卸資産÷1日当りの売上原価)』で知ることができる。
3.在庫管理は、売上アップや顧客満足度アップ、さらにはコスト削減、資金繰り改善、製品品質改善などにつながる。
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6 固定資産のリスク管理
1.固定資産は財産ではなく、売上をあげるための設備。 過剰設備は赤字経営の元である。
2.固定資産の活用状況は『固定資産回転率(=固定資産÷平均年商×100)』で知ることができる。
3.固定資産の適正化は、遊休固定資産の処分、売上アップ(マーケティング戦略の改善)などで図れる。
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7 借入金のリスク管理
1.借入金は本来、「攻めの経営」を展開するための資金調達である。
2.借入の適正状況は『借入金対月商倍率(=借入金÷平均月商』と『債務償還年数(=借入金÷(営業利益+減価償却費))で
知ることができる。
3.過剰の借入金は厳しい経営状況を、ますます厳しくする。
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8 純資産(自己資本)のリスク管理
1.自己資本とは、資本金と繰越利益余剰金、当期純損益金のことをいう。
2.自己資本が資本金より少なくなっているということは、事業開始以来、顧客から評価されていないと左証である。
3.その場合は、これまでの事業を謙虚に反省し、直ちに経営改善に取り組みことが大切。
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9 損益のリスク管理
1.PLでハッキリしたリスク管理をするためには、
全部原価損益計算書「売上高ー全部原価=売上総利益ー販管費=営業利益ー営業外損益=経常利益」から
直接原価損益計算書「売上高ー直接原価=限界利益ー人件費=達成利益ー固定費=営業利益ー営業外損益=経常利益」で
管理しなおすことが重要。
2.そのうえで、リスクの兆候を、売上高・限界利益・人件費・営業利益の項目で掴むことである。
3.損益管理の要諦は「売上高が増収しているかどうか」、「限界利益が増益しているどうか」であり、
調整弁は、売上高自体の伸びと直接原価の抑制、固定費の削減にある。
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如何でしょうか、会計による『リスク管理の要領』が掴めたでしょうか?
おわり
戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いの外、『思い込み』に囚われて生活や仕事をしています。
そしてその結果が「いまである」ということを忘れてはいけないと思います。
違う結果を得たいのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。
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